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下級裁

B型肝炎損害賠償請求事件

判決データ

事件番号
平成24ワ3883
事件名
B型肝炎損害賠償請求事件
裁判所
福岡地方裁判所
裁判年月日
2020年6月23日
裁判種別・結果
棄却

AI概要

【事案の概要】 乳幼児期(0〜6歳時)に集団ツベルクリン反応検査及び集団予防接種を受け、B型肝炎ウイルスに持続感染して慢性B型肝炎を発症した原告が、被告(国)に対し、予防接種の際に注射器が被接種者ごとに交換されず連続使用されたことによりB型肝炎ウイルスに感染したと主張し、国家賠償法1条1項に基づき、慢性肝炎が6年以上にわたって長期持続したことによる損害として1300万円(包括一律請求としての損害額1250万円及び弁護士費用50万円)及び遅延損害金の支払を求めた事案である。原告は遅くとも平成2年12月1日までにHBe抗原陽性の状態で慢性肝炎を発症し、その後約15年にわたりALT値の異常が続き、インターフェロン治療や核酸アナログ製剤の投与を受けた。被告は、B型肝炎ウイルス持続感染と予防接種との因果関係を否認するとともに、慢性肝炎の長期持続に係る損害は最初の慢性肝炎発症時に発生しているから除斥期間(20年)が経過したと主張した。 【争点】 1. B型肝炎ウイルス持続感染と集団予防接種等との因果関係の有無 2. 慢性肝炎の6年以上にわたる長期持続は、最初に発症した慢性肝炎とは別の病状といえるか(医学的知見) 3. 除斥期間の起算点は、慢性肝炎の発症時か、慢性肝炎の長期持続終了時か(慢性肝炎の長期持続に係る損害は、最初の発症に係る損害と「質的に異なる損害」といえるか) 4. 損害額 【判旨】 請求棄却。裁判所は、争点1(因果関係)について、原告の感染原因が垂直感染・輸血・性行為ではなく、家庭内感染の可能性も一般的・抽象的なものにすぎないことから、予防接種等における注射器の連続使用によるB型肝炎ウイルス持続感染の因果関係を肯定した。しかし、争点3(除斥期間)について、以下の理由から、慢性肝炎の6年以上にわたる長期持続に係る損害は最初の慢性肝炎発症に係る損害と「質的に異なる損害」とはいえないと判断した。第一に、医学的見地から、慢性肝炎の長期持続は慢性肝炎という一つの病状の中での連続する経過の一部であり、HBe抗原の有無や持続期間に応じた特段の取扱いもされていない。第二に、社会的見地からも、基本合意において慢性肝炎と肝硬変は区別されたが、慢性肝炎については長期持続の有無による区別はされず、肝硬変に至る前の段階として死への恐怖や社会的制約を含め一体として損害評価がされていた。第三に、じん肺と異なり、B型肝炎は不可逆的な疾患ではなく、線維化の改善も可能であることから、進行程度に応じた段階的区別にはなじまない。したがって、除斥期間の起算点は最初の慢性肝炎発症時(平成2年12月1日)であり、本件訴訟提起(平成24年10月31日)時には既に20年が経過していたとして、原告の請求を棄却した。なお、裁判所は、原告が慢性肝炎と闘いながら損害賠償を求めることは困難であったと推察しつつも、そのような事情をもってしても法的安定性を求める除斥期間の適用を排除するまでの事情とは認められないと判示した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。