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下級裁

天ヶ瀬ダム再開発事業公金支出差止等請求事件

判決データ

事件番号
平成27行ウ6
事件名
天ヶ瀬ダム再開発事業公金支出差止等請求事件
裁判所
京都地方裁判所
裁判年月日
2020年6月25日

AI概要

【事案の概要】 京都府の住民である原告らが、国土交通省を事業主体とする天ヶ瀬ダム再開発事業(淀川水系宇治川に位置する多目的ダムの放流能力増強工事)について、京都府が国に支払った利水負担金(特定多目的ダム法7条1項)及び治水負担金(河川法60条1項)の支出が違法であると主張し、地方自治法242条の2第1項4号に基づき、支出命令をした京都府職員らに対する損害賠償請求及び国に対する不当利得返還請求を京都府知事に求めるとともに、同項1号に基づき未払分の負担金支出の差止めを求めた住民訴訟である。天ヶ瀬ダムは昭和39年に完成したアーチ式コンクリートダムであり、再開発事業はトンネル式放流設備を新設して放流能力を840立方メートル毎秒から1140立方メートル毎秒に増強するものである。原告らは、本件事業には治水上・利水上の必要性がないこと、天ヶ瀬ダム周辺に多数の活断層が存在し耐震性に問題があること、環境影響調査が不十分であること等を主張した。対象となる負担金は平成25年度から平成29年度までの合計約43億6300万円に上る。 【争点】 本件の争点は、京都府による利水負担金及び治水負担金の各支出が財務会計法規上の義務に違反する違法なものであるか否かである。具体的には、(1)本件事業の治水上の必要性の有無、(2)利水上の必要性の有無、(3)天ヶ瀬ダム及び放流設備の河川管理施設としての安全性の有無、(4)環境影響調査の適否、(5)淀川水系流域委員会の意見聴取手続の適否が争われた。 【判旨】 裁判所は、原告らの請求をいずれも棄却した。利水負担金については、特定多目的ダム法7条1項はダム使用権設定予定者に利水負担金の負担を義務付けており、利水上の必要性は負担要件ではないとした上で、京都府知事がダム使用権設定申請を維持することの合理性を検討した。宇治浄水場の給水対象地域の水需要は安定水利権の範囲を超えており、暫定豊水水利権を安定水利権化する必要性が認められること、広域的水運用システムを利用しても非常時の安定給水に支障が生じうること等から、ダム使用権設定予定者の地位を維持することは合理性を欠かないと判断した。治水負担金については、国土交通大臣による納付通知に重大かつ明白な違法がない限り支出は違法とならないとの判断枠組みを示した上で、本件事業は淀川水系河川整備計画に具体的に位置づけられた治水対策であり、過去に計画放流量を上回る放流が実際に発生していること、事業評価監視委員会でも事業継続が妥当とされていること等から、河川管理上の必要性がないとはいえないとした。安全性についても、天ヶ瀬ダムは現に治水機能を有するダムとして供用されており、差し迫った危険が生じているとの事実は認められず、河川管理施設としての機能・性状を有しないとまではいえないと判断した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。