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下級裁

生活保護基準引下げ処分取消等請求事件

判決データ

事件番号
平成26行ウ83
事件名
生活保護基準引下げ処分取消等請求事件
裁判所
名古屋地方裁判所
裁判年月日
2020年6月25日

AI概要

【事案の概要】 生活保護法に基づく生活扶助を受給していた原告ら(名古屋市、豊橋市、刈谷市在住)が、厚生労働大臣による生活扶助基準の引下げ(平成25年8月及び平成26年4月の各告示)に基づく保護変更決定処分の取消しと、国家賠償法に基づく損害賠償(各1万円)を求めた事案である。本件引下げは、社会保障審議会生活保護基準部会の検証結果を踏まえ、生活扶助基準の展開部分(年齢・世帯人員・級地別の配分)と一般低所得世帯の消費実態とのかい離を是正する「ゆがみ調整」と、平成20年から平成23年までの物価下落(4.78%)を反映する「デフレ調整」の二本立てで行われたものであった。原告らは、生活扶助基準の引下げは憲法25条の生存権保障に反し、制度後退禁止原則に違反するなどと主張した。 【争点】 主要な争点は、(1)本件各告示による生活扶助基準の改定に生活保護法3条・8条に違反する違法があるか、(2)保護変更決定処分の通知書の理由提示が行政手続法14条等に違反するか、(3)国家賠償法上の違法性の有無、の3点であった。争点(1)に関しては、ゆがみ調整における比較対象世帯(第I-10分位)の妥当性、デフレ調整における独自の物価指数(生活扶助相当CPI)の算出方法の合理性、両調整の重複実施の可否、自民党の政権公約との関係など多岐にわたる論点が争われた。 【判旨】 請求棄却。裁判所は、生活扶助基準の改定における厚生労働大臣の裁量権について、最低限度の生活は抽象的かつ相対的な概念であり、その具体化には高度の専門技術的考察と政策的判断を要するとして、広範な裁量を認めた。制度後退禁止原則については、憲法25条は社会経済情勢の変化により最低限度の生活水準が変動し得ることを当然に予定しており、生活保護制度の後退を禁止するものとはいえないと判断した。ゆがみ調整に関しては、第I-10分位の世帯を比較対象としたことについて、消費水準や耐久消費財の普及状況等の統計的根拠から不合理とはいえないとし、生活保護受給世帯を比較対象から除外しなかった点も、検証の目的に照らし不合理ではないとした。デフレ調整についても、生活扶助相当CPIの算出方法やロウ指数の採用は理論的根拠を有し、厚生労働大臣の判断に過誤・欠落はないとした。自民党の政権公約の影響については、その可能性は否定できないとしつつ、改定の必要性自体は客観的に認められるため違法とはいえないとした。理由提示義務違反の主張についても、通知書の記載内容等を総合考慮し、違法はないと判断した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。