ロイヤリティ支払等請求控訴事件
判決データ
AI概要
【事案の概要】 リハビリ型デイサービスに係るフランチャイズ事業を営む被控訴人(フランチャイザー)が、加盟店である控訴人(フランチャイジー)との間で締結したフランチャイズ契約に基づき、未払ロイヤリティ約333万円、生活指導員の派遣に係る特別経費100万円、商標「LETs倶楽部」の使用差止め、及び契約解除後の約定違約金の支払を請求した事案の控訴審である。原審(東京地裁)は、未払ロイヤリティから保証金返還請求権30万円を相殺した残額約303万円及び特別経費の一部約30万円を認容し、その余を棄却した。控訴人が敗訴部分を不服として控訴した。なお、本件契約では、半日型タイプの月額ロイヤリティは17万円(税別)と定められていた。 【争点】 主な争点は以下の3点である。第1に、被控訴人の業務提供が不十分であったことを理由にロイヤリティ支払義務が消滅するか。控訴人は、介護事業未経験者でも経営を維持できるような支援業務が提供されるべきであったのに、被控訴人は生活相談員の人数について誤った情報を提供し、効果的な営業方法も提案できなかったと主張した。第2に、フランチャイズ契約の締結後に、被控訴人が「LETs倶楽部」の商標権持分をほっとステーション社に譲渡したことにより、被控訴人は商標使用許諾の権原を失い、ロイヤリティのうち商標使用対価相当分(月額9万7200円、14か月分で約136万円)の請求権がないのではないか。第3に、控訴人の売上不振を理由に、ロイヤリティの支払が免除又は猶予されていたか。控訴人は、月額240万円の売上達成を解除条件とする支払猶予合意が成立していたと主張した。 【判旨】 知財高裁は、原判決を支持し、控訴を棄却した。第1の争点について、被控訴人が契約に定められた種類の支援業務を実際に提供していたこと、契約継続中に控訴人が支援業務の不十分さを指摘した形跡がないこと、かえって控訴人が生活指導員の派遣について「これほどのお力を貸して頂けたことは本当に感謝でしかありません」等と感謝を述べていたことから、ロイヤリティ支払義務を消滅させるような債務不履行は認められないとした。第2の争点について、商標権譲渡契約の条項を検討し、ほっとステーションが被控訴人に対して再許諾権付きで無償の使用許諾をしており、被控訴人はこれに基づき控訴人に再許諾していたと認定し、商標使用許諾関係は継続していたと判断した。第3の争点について、支払免除は控訴人の取締役自身がこれを否定していることから認められず、解除条件付き支払猶予合意についても、猶予の対象範囲や条件達成時の具体的支払方法等が全く定められておらず、合意の成立は認められないとした。結局、被控訴人が控訴人の業績改善を待って事実上支払を猶予していたにすぎず、契約解除により猶予の期限は到来したと認定した。