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知財

審決取消請求事件

判決データ

事件番号
令和1行ケ10079
事件名
審決取消請求事件
裁判所
知的財産高等裁判所
裁判年月日
2020年7月2日

AI概要

【事案の概要】 本件は、船舶の浸水防止構造に関する特許(特許第5536254号、発明の名称「船舶」)について、原告(内海造船株式会社)が被告(三菱造船株式会社)に対し、特許庁がした無効審判請求不成立の審決の取消しを求めた事件である。本件特許は、旅客船やフェリー等の船舶において、隔壁を挟んだ2区画の側壁と隔壁の連結部に「浸水防止部屋」を設けることで、船側損傷時に浸水区画が過大となることを防止し、設計の自由度を拡大する技術に関するものである。被告(三菱重工業株式会社の承継人)は特許権者として数次の訂正を行い、特許庁は訂正を認めた上で原告の無効理由(訂正要件違反、新規性欠如、進歩性欠如)をいずれも排斥する審決をした。原告は、訂正における新規事項追加の違法、先行文献(欧州海上保安機関の損傷時復原性試験報告書等)に基づく相違点認定の誤り、及び「浸水防止部屋」の解釈の誤りなど7つの取消事由を主張した。 【争点】 主な争点は、(1)訂正事項(浸水防止部屋が「部屋の高さ方向にわたって形成される」こと、「機関区域」の2つの部屋が「縦通隔壁で区画されていない」こと等)が新規事項の追加に当たるか、(2)先行文献(甲3発明)との相違点における「縦通隔壁」の認定の当否、(3)相違点に係る構成の容易想到性、(4)「浸水防止部屋」がタンク(アンチローリングタンクやトリミングタンク)を含むか否かであった。 【判旨】 知的財産高等裁判所は、取消事由1から6については理由がないとした。訂正事項1-1(高さ方向にわたって形成)については、明細書の図面及び記載から明示的に記載されていると認定し、訂正事項1-2(縦通隔壁で区画されていない)については、本件発明が浸水区画の大きい部屋への適用を想定していること及び図面に縦通隔壁の記載がないことから、明細書記載の事項の範囲内と判断した。相違点2の認定及び容易想到性についても、先行文献が損傷時復原性条件に適合するよう全体配置が検討された船のモデルであることから、一部の区画のみを変更する動機付けはないとして審決の判断を維持した。他方、取消事由7については理由があるとした。裁判所は、「浸水防止部屋」の意義について、特許請求の範囲に「専ら」浸水防止を企図した空間であるとの限定はなく、タンク等の他の機能を兼ねることが本件発明の目的を阻害するとは認められないとして、「浸水防止部屋」とは側壁損傷時に浸水してもそれが設けられた部屋に浸水しない水密構造の部屋を意味すると解釈した。この解釈に基づき、先行文献のアンチローリングタンクやトリミングタンクが「浸水防止部屋」に該当しないとした審決の判断は誤りであるとして、請求項1から8に係る部分の審決を取り消し、請求項9に係る部分は請求を棄却した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。