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知財

特許権侵害差止等請求事件

判決データ

事件番号
平成29ワ40337
事件名
特許権侵害差止等請求事件
裁判所
東京地方裁判所
裁判年月日
2020年7月22日

AI概要

【事案の概要】 原告(株式会社リコー)は、プリンタ用トナーカートリッジに搭載される情報記憶装置(ICチップ)に関する3件の特許権(特許第4886084号、第5780375号、第5780376号)を有していた。これらの特許は、トナーカートリッジの電子部品における基板の穴部にアース端子を形成し、画像形成装置本体の突起部と係合させることで電気的破損を防止する物理的構造に関する発明である。 被告ら3社(ディエスジャパン、ディエスロジコ、奥美濃プロデュース)は、使用済みの原告製トナーカートリッジから電子部品を取り外し、被告ら製造の電子部品に交換した上でトナーを再充填し、再生品として販売していた。原告は、被告らの電子部品が上記各特許の技術的範囲に属すると主張して、製造販売の差止め、廃棄及び1000万円の損害賠償を求めた。 なお、原告は、C830シリーズ等のプリンタ用トナーカートリッジの電子部品についてメモリのデータ書換えを制限する措置(本件書換制限措置)を講じていた。この措置により、リサイクル事業者はメモリを書き換えてトナー残量を表示させることができず、電子部品自体を交換せざるを得ない状況に追い込まれていた。 【争点】 (1) 被告電子部品(設計変更後を含む)が本件各特許の技術的範囲に属するか(構成要件の充足性、均等侵害の成否) (2) 本件各特許が無効審判により無効にされるべきか(進歩性欠如、明確性要件違反) (3) 特許権の消尽の成否 (4) 権利濫用の成否(本件書換制限措置の必要性・合理性、独占禁止法違反) 【判旨】 裁判所は、被告電子部品(設計変更前後とも)が本件各特許の技術的範囲に属すると認定した上で、権利濫用の争点について判断し、原告の請求を全て棄却した。 権利濫用の判断において、裁判所はまず、独占禁止法21条の趣旨等に照らし、特許権の行使が他の行為と相まって公正な競争を阻害するおそれがある場合には、権利の濫用に当たり得るとの判断枠組みを示した。 その上で、(1)トナー残量が「?」と表示される再生品は市場で受け入れられず、被告らは競争上著しく不利益を被ること、(2)メモリの書換行為は電子部品の物理的構造に改変を加えるものではなく特許権侵害に当たらないこと、(3)被告らが特許権侵害を回避しつつ競争上の不利益を被らない方策は存在しないこと、(4)原告が主張する書換制限措置の必要性(トナー残量表示の正確性担保、品質管理への活用等)はいずれも抽象的な可能性にとどまり、具体的な必要性・合理性が認められないことを認定した。 結論として、原告の一連の行為は、リサイクル事業者とユーザーの取引を不当に妨害し公正な競争を阻害するものであり、独占禁止法(19条、一般指定14項)に抵触するとして、差止請求・損害賠償請求のいずれについても権利の濫用(民法1条3項)に当たると判断した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。