AI概要
【事案の概要】 被告人は、中学校時代の後輩であった被害者(当時34歳)に対し、令和2年2月23日頃から同年4月12日までの間、SNS「インスタグラム」を通じて脅迫行為を行った強要未遂の事案である。 被告人は、被害者の活躍を知って祝いのメッセージを送信したところ返信が得られたことから、被害者に会いたいと思うようになった。しかし、その後の連絡要求に対して反応が得られなかったため、被害者に裏切られたとの思いを抱くようになった。そこで被告人は、自己の携帯電話から被害者のインスタグラムアカウントに対し、複数のアカウントを使用して、ダイレクトメッセージやコメントにより多数回にわたって脅迫的なメッセージを送信し、ハサミを撮影した画像を添付するなどした。被告人は、被害者本人やその親族の生命、身体、名誉等に危害を加える旨を告知して脅迫し、連絡を返すよう義務のないことを行わせようとしたが、被害者がこれに応じず警察に届け出たため、目的を遂げなかった。なお、途中でメッセージをブロックされたり、被害者の関係者から警告を受けたにもかかわらず、犯行を継続していた。 【判旨(量刑)】 裁判所は、犯行の動機について、返信が得られなかったことから被害者に裏切られたと思い込み、脅迫してまで連絡を求めたものであって、極めて幼稚で自己中心的であると指摘した。脅迫行為は多数回にわたり、被害者本人のみならずその家族に対しても危害を加える旨の強烈な内容であり、被害者の被った恐怖心や不快感は大きかったと認定した。さらに、ブロックや警告にもかかわらず犯行を継続した点も犯情が悪いとした。 他方、被告人が事実を率直に認めて反省の態度を示していること、前科前歴が全くないこと、同居する父親が情状証人として出廷し今後の更生を支援する旨述べていることなど、酌むべき事情も認めた。 以上を総合考慮し、求刑どおり懲役1年6月、執行猶予3年を言い渡した(求刑:懲役1年6月)。