都道府県を選択して、裁判官を探すことができます

全国 2522 人の裁判官3160 件の口コミ
知財

審決取消請求事件

判決データ

事件番号
令和1行ケ10155
事件名
審決取消請求事件
裁判所
知的財産高等裁判所
裁判年月日
2020年8月26日
裁判官
森義之眞鍋美穂子熊谷大輔

AI概要

【事案の概要】 本件は、「含硫化合物と微量金属元素を含む輸液製剤」に関する特許(特許第4171216号、請求項1〜11)について、原告(エイワイファーマ)が被告(大塚製薬工場)に対して提起した特許無効審判請求不成立審決の取消訴訟である。原告は、本件特許が先願である甲1出願(特願2001-278664号)に記載された発明と同一であり、特許法29条の2(拡大された先願の地位)に違反すると主張した。 本件発明は、含硫アミノ酸(アセチルシステイン等)を含むアミノ酸輸液を一室に充填し、微量金属元素(銅、鉄、マンガン等)を含む液が収容された収容容器を他の室に収納するという複室輸液容器の構成を採用することで、微量金属元素の保存安定性を実現する発明である。一方、甲1発明は、複数のビタミンの混合操作を容易にし、保存時の安定性を維持するために、複室容器の区画室にビタミンを隔離収容する発明であった。 【争点】 本件発明と甲1発明が特許法29条の2にいう「同一の発明」に該当するか。具体的には、(1)甲1発明の区画室に微量金属元素を収容する構成が記載されているに等しいか、(2)甲1発明のアミノ酸輸液にアセチルシステイン等の含硫アミノ酸を含む構成が記載されているに等しいか、(3)ガスバリヤー性外袋に収納し外袋内の酸素を取り除く構成が記載されているに等しいか、が主要な争点となった。 【判旨】 知財高裁は、審決の結論を維持し、原告の請求を棄却した。裁判所は、まず審決の甲1発明の認定を一部修正し、区画室の材質が熱可塑性樹脂であること及び形態が「袋」であることは甲1から認定できるとした。また、微量元素の収容場所は甲1において特定されていないと認定した。 しかし、核心的な争点については、甲1には「一室に含硫化合物を含有する溶液を収容し、微量金属元素収容容器は他の室に収納することにより微量金属元素が安定する」という本件発明の基礎となる技術思想についての記載も示唆もないと判断した。加えて、甲1ではアミノ酸輸液にシステインを含むかは任意であり、微量金属元素の収容場所も複数の選択肢があって特定されていないことから、当業者が甲1から、含硫アミノ酸と微量金属元素を別室に隔離するという「ひとまとまりの技術思想としての構成」を認識することはできないと結論づけた。この判断は本件発明1〜11の全てに共通して適用され、いずれの取消事由も理由がないとされた。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。