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知財

審決取消請求事件

判決データ

事件番号
令和1行ケ10139
事件名
審決取消請求事件
裁判所
知的財産高等裁判所
裁判年月日
2020年8月27日

AI概要

【事案の概要】 本件は、「メタルマスク及びその製造方法」に関する特許(特許第4192197号)の無効審判請求を不成立とした審決の取消しを求めた事件である。メタルマスクとは、プリント配線板に半田ペーストを塗布するためのスクリーン印刷用の金属板であり、配線板との位置合わせのために認識マーク(アライメントマーク)が設けられている。従来は、マスク表面にエッチングで凹部を形成し、そこにトナーやカーボン樹脂を充填してマークを形成していたが、洗浄時に充填物が脱落するという課題があった。本件特許は、この課題を解決するため、交流電源による電解マーキング法で認識マークを刻印する構成を採用したものである。原告は、本件特許の請求項1及び2に係る発明について無効審判を請求したが、特許庁は訂正を認めた上で審判請求不成立の審決をしたため、原告がその取消しを求めて出訴した。 【争点】 主たる争点は、本件各訂正発明の進歩性(相違点3及び6の容易想到性)である。具体的には、甲1発明(凹部に電解めっき法等で金属層を形成してアライメントマークとする印刷用マスク)に対し、甲3文献に記載された交流電源による電解マーキング法を適用することが当業者にとって容易であったか否かが争われた。原告は、甲1発明にはマークの脱落防止という課題が示唆されており、脱落しないことを特徴とする電解マーキング法を適用する動機付けがあること、甲3文献に記載された欠点(1)〜(4)は阻害要因にならないことなどを主張した。被告は、両技術は技術分野・適用対象・要求される機能が異なり動機付けがないこと、甲3文献自体が電解マーキング法の欠点を指摘しており阻害要因が存在することを主張した。 【判旨】 知財高裁は、原告の請求を棄却した。裁判所は、まず甲1発明と甲3記載技術の関係について、甲1発明はプリント配線板との位置合わせ用マークに関する技術であり、マークの位置や輪郭の寸法精度が強く求められるのに対し、甲3記載技術は工具類に識別情報としての文字等を表示するための技術であり、文字等の明瞭さや高い解像度が求められるものであるとして、技術分野、適用対象、要求される機能、被加工品の材料がいずれも異なると認定した。また、甲1発明はあらかじめ凹部を形成した上で金属層を付加する方法であるのに対し、電解マーキング法は凹みの発生と皮膜形成が同一工程で行われるものであり、技術内容においても違いがあるとした。さらに、甲1文献では電解めっき法が好ましいとされている一方、甲3文献では電解マーキング法の欠点が列挙され電解めっき法に劣る方法として否定的に評価されていることから、当業者が敢えて電解マーキング法を甲1発明に適用しようとすることは考え難く、阻害要因もあるとして、本件各訂正発明の進歩性を肯定した審決の判断に誤りはないと結論づけた。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。