AI概要
【事案の概要】 福知山市の住民である原告(市議会議員)が、市の執行機関である被告(市長)に対し、一般廃棄物処理許可業者(本件事業者)が市の廃棄物処理施設に廃棄物を持ち込む際、事業系一般廃棄物を家庭系一般廃棄物と虚偽申告し、手数料差額分の損害を市に与えたにもかかわらず、被告が損害賠償請求権を行使しないことが違法な財産管理の懈怠に当たるとして、地方自治法242条の2第1項4号に基づき、本件事業者及び市職員4名に対し手数料差額2年分501万0890円の損害賠償を請求するよう求めた住民訴訟である。本件事業者は、福知山学園(居住系福祉施設)等から廃棄物を収集し市の施設に搬入していたが、平成27年度は搬入量の91.3%、平成28年度は97.5%を家庭ごみと申告していた。市の施設では許可業者の自主申告により事業ごみと家庭ごみを区別する運用がなされていた。 【争点】 (1) 市職員のうち参事及び次長補佐が地方自治法242条の2第1項4号の「当該職員」に該当するか、(2) 本件事業者が事業ごみを家庭ごみと偽り虚偽申告をして手数料差額の支払を違法に免れたか、(3) 市職員らが事業ごみとしての手数料徴収を違法に怠ったか、(4) 市に生じた損害額。 【判旨】 裁判所は、本件事業者に対する損害賠償請求(501万0890円)を認容し、市職員に対する請求は棄却した。争点(1)につき、参事及び次長補佐は事務決裁規程上、廃棄物処理の取扱いを決定・変更する権限を有しておらず「当該職員」に該当しないとして訴えを却下した。争点(2)につき、本件事業者と福知山学園との契約書は「事業系一般廃棄物等の収集・運搬」を対象としており、福知山学園自身も事業ごみの処理委託と認識していたこと、他の許可業者は全て事業ごみとして搬入していたこと等から、本件搬入ごみは全て事業ごみであったと認定した。本件事業者代表者の「生活ごみと事業ごみを外観で見分けて分別していた」との供述は不自然として排斥し、虚偽申告による不法行為の成立を認めた。争点(3)につき、自主申告による区別には相応の合理性があり裁量権の逸脱・濫用とはいえず、施設職員からの不正指摘後も居住系福祉施設のごみの取扱いに関する運用変更の検討を先行させたことには相応の理由があるとして、市職員の違法な手数料徴収懈怠は認められないとした。争点(4)につき、市が本件事業者から不当利得として回収した103万6980円は、廃棄物収集運搬業務委託契約の委託者としての立場での過払回収にすぎず、虚偽申告による手数料差額の損害填補とはみられないとして、損害額からの控除を否定した。