入札無効決定取消等請求事件
判決データ
AI概要
【事案の概要】 大阪市が所有する建物について、定期建物賃貸借契約の相手方を募集する条件付一般競争入札が実施された。原告は入札に参加し、3者中最高額の月額2000万円で入札したが、入札書に実印ではなく認め印が押捺されていたことを理由に入札無効の決定を受けた。その結果、2番目に高い月額1652万0095円で入札したA社が落札者に決定された。原告は、入札無効決定はあらかじめ定められていない新たな無効事由を作出してされたものであり、落札決定も最高価格の入札者と異なる者を落札者としたもので、いずれも違法であるとして、取消訴訟を提起した。これに対し被告大阪市は、入札無効決定及び落札決定は行政事件訴訟法3条2項の「処分その他公権力の行使に当たる行為」に当たらず、訴えは不適法であると主張した。 【争点】 地方公共団体が行う一般競争入札における入札無効決定及び落札決定が、取消訴訟の対象となる「処分その他公権力の行使に当たる行為」(行政事件訴訟法3条2項)に該当するか。原告は、地方自治法234条3項が最高価格入札者を自動的に落札者とする旨定めており、入札無効決定は落札者となる可能性を奪うもので処分性があると主張した。 【判旨】 裁判所は、本件訴えをいずれも却下した。まず、地方自治法の定めによれば、一般競争入札は契約締結方法の一つであり、契約書作成による確定が別途必要とされていることから、入札は契約の準備的行為にすぎないと判断した。入札無効決定についても、契約相手方の選考過程において適式な申込みがなかったという事実を通知したものにすぎず、直接国民の権利義務を形成し又はその範囲を確定する性質を有しないとした。原告が地方自治法234条3項により保護される利益があると主張した点については、同項は自由競争の範囲内で最良条件の提示者を選定するという選考方法・基準を明確にしたものであり、私人間の契約締結と基本的に異ならないとして退けた。落札決定についても同様に、契約の準備的行為として選考結果を明らかにしたものにすぎず、処分性を否定した。以上より、本件訴えは取消訴訟の対象を欠く不適法な訴えであるとして却下された。