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知財

審決取消請求事件

判決データ

事件番号
令和1行ケ10150
事件名
審決取消請求事件
裁判所
知的財産高等裁判所
裁判年月日
2020年9月15日
裁判官
髙部眞規子小林康彦髙橋彩

AI概要

【事案の概要】 本件は、原告(大陽日酸株式会社)が、被告(エア・ウォーター・クライオプラント株式会社)の有する「空気分離方法」に関する特許(特許第5997105号)について特許無効審判を請求したところ、特許庁が請求不成立の審決をしたため、その取消しを求めた審決取消訴訟である。本件特許は、空気圧縮機、主熱交換器、高圧精留塔及び低圧精留塔を有する空気分離装置において、低圧精留塔から液体酸素が導入される容器内の熱交換部でガス酸素を生成し、液体酸素(高純度酸素)とガス酸素(低純度酸素)をそれぞれ主熱交換器に供給することで、空気圧縮機の消費動力を低減して稼働コストを小さくする方法に関するものである。原告は、(1)引用発明(米国特許第5682766号)に基づく新規性欠如、(2)同引用発明に基づく進歩性欠如、(3)実施可能要件違反、(4)サポート要件違反の4つの取消事由を主張した。 【争点】 主要な争点は、引用発明1の認定の当否、特に引用発明1において低純度酸素を気体として抜き出す構成が開示されているか否かである。本件審決は、引用発明1は低純度酸素を液体として抜き出すものと認定し、本件発明との相違点1(低純度酸素の回収態様の違い)を実質的な相違点と判断した。これに対し原告は、引用例1の「低純度酸素及び高純度酸素のいずれか又は両方は、液体又は気化ガスとして側塔から抜き出されてもよい」との記載(記載A)を根拠に、低純度酸素を気体で回収する構成も開示されていると主張した。 【判旨】 知財高裁は、取消事由1(新規性判断の誤り)について理由があると判断し、審決を取り消した。裁判所は、記載Aの英文における"withdrawn"は中間生成物の抜き出し、"recovery"は最終製品の回収を意味すると解釈し、記載Aは低純度酸素を気体として側塔から抜き出すことを排除していないと認定した。さらに、本件出願当時、精留塔から低純度酸素を気体として抜き出す方法も液体として抜き出す方法もあることは技術常識であったと認定し、引用例1には低純度酸素を気体として抜き出すことが記載されているに等しいと判断した。したがって、本件審決が相違点1を実質的な相違点と認定したことは誤りであるとした。もっとも、その余の相違点等については再度の審判で審理判断されるべきとした。取消事由3(実施可能要件)及び取消事由4(サポート要件)については、いずれも理由がないと判断した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。