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知財

特許権侵害差止請求事件

判決データ

事件番号
平成30ワ18555
事件名
特許権侵害差止請求事件
裁判所
東京地方裁判所
裁判年月日
2020年9月17日
裁判官
田中孝一奥俊彦西尾信員

AI概要

【事案の概要】 原告(大塚製薬)は、「エクオール含有抽出物及びその製造方法」に関する物の製造方法の特許(特許第6275313号)の特許権者である。エクオールとは、大豆に含まれるイソフラボンの一種であるダイゼインが腸内細菌によって代謝されて生じる物質で、女性の健康維持への効果が注目されている。本件特許は、ダイゼイン類とアルギニンを含む発酵原料を、オルニチン産生能力及びエクオール産生能力を有する微生物で発酵処理して、オルニチン及びエクオールを含有する発酵物を製造する方法に関するものである。 被告ダイセルは、大豆胚芽抽出発酵物(フラボセルEQ-5)を製造し、被告AMCに販売していた。被告AMCは、これを原料として大豆胚芽抽出発酵物含有食品(エクオール+ラクトビオン酸)を製造・販売していた。原告は、被告らの製造方法が本件特許の技術的範囲に属するとして、特許権に基づき製品の生産・販売等の差止め及び廃棄を求めた。 【争点】 本件では多数の争点が設定されたが、主要な争点は以下のとおりである。(1)被告方法において「選択」されたダイゼイン類は何か(構成要件の充足性)、(2)構成要件の「ダイゼイン類」は大豆胚軸に限定されるか、(3)構成要件の「微生物」はラクトコッカス20-92に限定されるか、(4)「微生物」は糖を切断する能力を有するものに限定されるか、(5)被告方法におけるアルギニンを含む培養液は「アルギニンを含む発酵原料」に当たるか、(6)本件特許の無効理由の有無、(7)訂正の対抗主張の成否。 【判旨】 裁判所は、争点(1)〜(4)については原告に有利な判断を示し、被告方法において選択されたダイゼイン類はダイゼイン配糖体ではなく酵素処理後の「ダイゼインを含む処理液」であるとし、ダイゼイン類は大豆胚軸に限定されず、微生物もラクトコッカス20-92に限定されないと判断した。しかし、争点(5)について、被告方法におけるアルギニンを含む培養液は「アルギニンを含む発酵原料」には当たらないと判断した。特許請求の範囲の文言上、アルギニンはダイゼイン類と共に発酵原料を調製する段階で既に含まれている必要があるところ、被告方法ではアルギニンは発酵原料の調製段階ではなく、その後の発酵処理工程において培養液として初めて現れるものにすぎないとした。本件明細書の記載からも、発酵原料と栄養成分は区別されており、培養液中のアルギニンを発酵原料に含まれるものと解することはできないとした。以上により、被告方法は本件発明の技術的範囲に属しないとして、無効理由等を検討するまでもなく、原告の請求を全て棄却した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。