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下級裁

損害賠償請求事件

判決データ

事件番号
令和1ワ5143
事件名
損害賠償請求事件
裁判所
名古屋地方裁判所
裁判年月日
2020年9月29日
裁判官
前田郁勝今城智徳白鳥葵

AI概要

【事案の概要】 本件は、愛知県弁護士会所属の弁護士である原告が、外国人被疑者(英国籍・英語話者)の国選弁護人として弁護活動に従事した際、被疑者の留置先である愛知県昭和警察署の留置担当官による以下の3つの行為が秘密交通権・接見交通権を侵害したとして、愛知県に対し国家賠償法1条1項に基づき210万円の慰謝料を請求した事案である。原告は、被疑者に対し表紙に「弁護人との接見用」と記入したノート(本件ノート)を差し入れ、取調べの内容等を記入して接見時に持参するよう助言していた。ところが、留置担当官は、(1)複数回にわたり本件ノートの中身を確認し(本件各確認)、(2)被疑者が取調べ内容を英語でメモすることを禁止し(本件英語禁止告知)、(3)ノート中の英語記載部分を日本語のローマ字表記に転記させた上で英語部分を黒塗り又は破棄させた(本件破棄要請)。昭和警察署では、英語による記載は留置担当官が点検できないという理由から一律に禁止する運用がなされていた。 【争点】 (1) 留置担当官による本件ノートの内容確認(本件各確認)の違法性 (2) 英語での記載を禁止した告知(本件英語禁止告知)の違法性 (3) 英語記載部分の破棄・黒塗りを求めた行為(本件破棄要請)の違法性 (4) 各行為により弁護人の秘密交通権・接見交通権が侵害されたか (5) 損害額 【判旨】 裁判所は、一部認容・一部棄却の判決を下し、被告に対し合計20万円の慰謝料の支払を命じた。 争点(1)について、裁判所は、刑事収容施設法212条1項に基づく所持品検査であっても、その対象が弁護人との接見に備えて取調べ内容や疑問点等を記載した「被疑者ノート」である場合には、接見交通権・秘密交通権の重要性に照らし、秘密保護のための可能な限りの配慮が義務付けられると判示した。被疑者ノートの内容検査の必要性は高度とはいえない一方、内容が留置担当官ひいては捜査関係者に知られる可能性があれば防御権・弁護権の行使に支障を来すとして、原則として外形的確認の限度で許容され、特段の事情がない限り内容の検査は違法となるとの判断基準を示した。本件では特段の事情は認められず、本件各確認は違法と判断された。 争点(2)について、刑事収容施設法には被留置者が所持品に外国語で記載することを禁じる規定はなく、むしろ同法228条2項は外国語による信書の発受を許容しており、外国語記載の前提を想定していると解されるとして、本件英語禁止告知は法的根拠を欠き違法と判断した。留置担当官と被留置者の関係性に照らし、任意の協力要請にすぎないとの被告の主張も排斥された。 争点(3)について、同様の理由から本件破棄要請も違法と判断された。 争点(4)について、本件各確認は秘密交通権の侵害に、本件破棄要請は接見交通権の侵害に当たると認定した。ただし、本件英語禁止告知については、被疑者がその後も英語で書き込みをして接見に臨んでいたことから、接見交通権の侵害とまでは認められなかった。損害額は各行為につき5万円、合計20万円と認定された。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。