AI概要
【事案の概要】 被告人は、覚醒剤の使用及び所持並びに大麻の所持により起訴された事案である。 被告人は、令和2年6月24日頃、宮崎県小林市の自宅において、覚醒剤である塩酸フエニルメチルアミノプロパンを加熱・気化させて吸引し、覚醒剤を使用した(第1)。また、同日、同自宅において、覚醒剤の結晶約0.262グラム及び大麻約1.29グラムを所持した(第2)。 被告人は、遅くとも平成27年か28年頃から大麻の使用を、遅くとも平成30年頃から覚醒剤の使用をそれぞれ開始していた。特に覚醒剤については、小林市に転居した令和2年4月からは毎日のように使用しており、大麻については常に自宅において所持する状態が続いていた。このような経緯の中で本件各犯行に及んだものであり、被告人には違法薬物に対する抵抗感の希薄さや依存性が認められる状況にあった。 なお、被告人にはこれまで前科前歴はなく、本件が初めての刑事事件であった。 【判旨(量刑)】 裁判所は、被告人を懲役2年(執行猶予4年)に処した。 裁判所は、まず、被告人が使用による効果を得るために安易に覚醒剤を使用し、覚醒剤及び大麻を所持していたもので、犯行動機に酌量の余地はないと指摘した。また、長期間にわたる違法薬物の使用歴や、覚醒剤を毎日のように使用していた状況に照らし、被告人には違法薬物に対する抵抗感の希薄さや依存性が認められ、刑事責任は決して軽視することはできないとした。 他方で、被告人にとって酌むべき事情として、(1)本件各犯行を認め、違法薬物及びその関係者との関係を断つ旨誓約し反省の態度を示していること、(2)ダルク(薬物依存症回復支援施設)への通所を保釈後に開始し今後も継続する旨述べており、その効果に一定の期待ができること、(3)前科前歴がないことを挙げた。 これらの事情を総合考慮し、裁判所は、今回に限って刑の執行を猶予し、社会内での更生の機会を与えるのが相当であると判断した。なお、検察官の求刑は懲役2年であった。