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下級裁

遺族補償給付等不支給処分取消請求控訴事件

判決データ

事件番号
令和1行コ96
事件名
遺族補償給付等不支給処分取消請求控訴事件
裁判所
大阪高等裁判所
裁判年月日
2020年10月1日
裁判種別・結果
その他
裁判官
木納敏和木上寛子木納敏和
原審裁判所
大阪地方裁判所

AI概要

【事案の概要】 レストランの従業員であった亡A(昭和55年生、平成26年6月死亡)の配偶者である被控訴人が、亡Aの発症した劇症型心筋炎及び急性心不全並びにこれに起因する死亡について、勤務先レストランにおける長時間労働等の過重業務が原因であるとして、労災保険法に基づき、療養補償給付、休業補償給付、遺族補償年金及び葬祭料の各支給を請求した事案である。処分行政庁はいずれも不支給処分としたが、原審(大阪地裁)は業務起因性を認めて不支給処分を取り消したため、国が控訴した。 亡Aはレストランのオーナーシェフに次ぐ筆頭シェフとして、月間約250時間もの時間外労働に従事していた。平成24年11月20日に頭痛・関節痛を訴え、同月22日には38度5分の発熱があったが勤務を継続し、同月23日に休日診療所を受診したものの感冒と診断された。翌24日に胸痛が出現して病院を受診し急性心筋炎の疑いで緊急入院したが、入院当日夜から急速に病状が悪化して劇症型心筋炎に至った。補助人工心臓を装着する手術を受けて一時退院したが、その合併症である脳出血により平成26年6月2日に死亡した。 【争点】 1. 免疫力の低下を理由とする劇症型心筋炎の発症及び死亡の業務起因性の有無 2. 治療機会の喪失を理由とする劇症型心筋炎の発症及び死亡の業務起因性の有無 【判旨】 控訴認容(原判決取消し、被控訴人の請求をいずれも棄却)。 争点1について、裁判所は、長時間労働や睡眠不足が免疫力の低下をもたらす可能性は否定できないとしつつも、亡Aには風邪にかかりやすくなった事実やヘルペスの発症といった免疫力低下を示す具体的徴候がなく、血液検査結果も正常範囲内であったことから、免疫力が低下していたとまでは認め難いとした。さらに、劇症型心筋炎の発症機序は医学的に解明されておらず、その劇症化には免疫力の低下ではなく免疫の過剰反応が複雑に関与していると考えられており、風邪についての「過労でかかりやすくなり重篤化する」という経験則を同じウイルス感染症であるというだけで劇症型心筋炎に当てはめることは、医学的知見に照らして首肯し得ないと判断した。 争点2について、裁判所は、亡Aは同月23日に休憩時間を利用して診療所を受診しており、それ以前にも同様に近隣の医療機関を受診することは可能であったとして、治療機会が客観的に喪失されていたとは認められないとした。また、仮に早期に受診していたとしても、前駆症状が非特異的であったため心筋炎と診断される可能性は低く、安静・臥床等の治療で劇症化を防ぎ得るという医学的根拠もないとして、治療機会の喪失と本件疾病の増悪との因果関係も否定した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。