公金返還請求措置請求事件
判決データ
AI概要
【事案の概要】 京都府の住民である原告が、京都府議会議員である被告補助参加人(以下「参加人」)が平成28年度に交付を受けた政務活動費の人件費支出について、違法な支出があるとして、地方自治法242条の2第1項4号に基づき、京都府の執行機関である被告に対し、参加人への不当利得返還請求(96万4129円)を求めた住民訴訟である。 参加人は、政務活動の補助業務を行わせるためにAとの間で雇用契約を締結し、月額16万円の給与を支払っていた。Aは参加人の唯一の事務員であったが、政務活動の補助業務のみならず、参加人の指示を受けて、所属政党の書面作成、選挙はがきの宛名入力、後援会の会計処理、政党イベントの連絡調整など、政党活動・選挙活動・後援会活動に関わる非政務活動の補助業務にも日常的に従事していた。参加人は、Aに支払った給与等192万8258円の全額を人件費として政務活動費から支出した。京都府の政務活動費運用マニュアルは、政務活動の業務に従事した割合が明らかでない場合、人件費に充てることができるのは実際に支出した経費の2分の1に限られると定めている。 【争点】 Aが行った非政務活動補助業務(政党活動・選挙活動・後援会活動の補助)は、雇用契約に基づく業務として行われたものか、それとも雇用契約とは無関係に無償で行われたものかが争われた。原告は、Aは参加人の指示に従わざるを得ず雇用契約上の業務として非政務活動にも従事していたと主張した。被告らは、Aは非政務活動が契約上の業務に含まれないことを認識しており、自身のブログでも「タダバタラキが始まりました」と記載していたことから、あくまで無償の業務として行ったにすぎないと反論した。 【判旨】 裁判所は原告の請求を全部認容した。まず、政務活動費を充てることが許される経費に該当するためには、当該活動が議員としての議会活動に当たること、又はその客観的な目的・性質に照らし議会活動の基礎となる政務活動との間に合理的関連性を有することを要するとの判断枠組みを示した。 その上で、Aは雇用期間を通じて参加人の指示により非政務活動補助業務に日常的に従事しており、これらの業務について給与等以外の報酬は一切支払われていなかったことから、非政務活動補助業務も雇用契約に基づく業務であり、支払われた給与等はその対価を含むものと認定した。被告らが主張するAと参加人の男女関係についても、そのことから直ちに無償で業務を行ったとはいえないとし、ブログの「タダバタラキ」との記載も、本来契約に含まれない業務を不本意ながら行わざるを得ないことへの不満の吐露にすぎないと判断した。Aが政務活動に従事した割合は明らかでないことから、運用マニュアルの定めに従い、人件費支出の2分の1を超える部分(96万4129円)は使途基準に適合しない違法な支出であるとして、参加人の不当利得返還義務を認めた。