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下級裁

国家賠償請求事件

判決データ

事件番号
平成29ワ2890
事件名
国家賠償請求事件
裁判所
東京地方裁判所
裁判年月日
2020年10月20日
裁判官
谷口安史杉森洋平白井宏和

AI概要

【事案の概要】 防衛省防衛研究所の研究職員である原告が、「諸外国における女性軍人の人事管理等」をテーマとする平成27年度特別研究成果報告書(特研報告書)を執筆した際、平成25年度特研報告書の他の研究者(A及びB)が執筆した箇所(合計38箇所・452行)を引用表示なく使用したことについて、防衛研究所長が「研究活動に係る不正行為(盗用)」と認定して公式ホームページで原告の氏名を含めて公表し、さらに訓戒処分を行った。原告は、この公表及び訓戒が違法であるとして、国に対し国家賠償法1条1項に基づく損害賠償(合計3300万円)、公表記事の削除及び謝罪広告の掲載を求めて提訴した。原告は、特研報告書は対外的に公表されていない内部資料であり「発表された研究成果」に該当しないこと、平成25年度特研報告書のA担当部分等は実際には原告が執筆したこと、引用表示の必要性についての認識がなかったことなどを主張した。 【争点】 主な争点は、(1)本件公表及び訓戒の国家賠償法上の違法性(特研報告書が防衛研究所の内部規則である「本件達」にいう「発表された研究成果」に当たるか、原告の行為が「盗用」に該当するか、原告に故意があったか)、(2)原告の損害及び因果関係、(3)公表記事の削除請求の可否、(4)謝罪広告の要否である。 【判旨】 裁判所は、まず「発表された研究成果」の意義について、本件達の文言、制定目的及び経緯等を踏まえ、研究成果が他の多数の研究者において批判・吟味の対象として認識できる状態になることが必要であると解釈した。平成27年度特研報告書は所長への成果報告と内部部局へのデータ提供がされたのみで、イントラネット(本件システム)への掲載も研究成果発表会での報告もなされていなかったことから、「発表された研究成果」には当たらないと判断した。被告が主張する「所長への報告時点で発表に当たる」との解釈は、文言との乖離が大きく、所内で周知もされていなかったとして退けた。次に故意の有無について、原告が引用表示不要と認識していたことには相応の合理的根拠があると認定した。具体的には、特研報告書の内部資料としての性格、本件達の対象範囲について所内で共通認識が形成されていなかったこと、共同研究者であるA及びBも特研報告書への本件達の適用について明確に認識していなかったこと等を考慮した。その上で、防衛研究所は「発表された研究成果」の意義及び原告の故意の有無について具体的検討を怠ったと評価し、本件公表及び訓戒は職務上の注意義務に違反し国家賠償法上違法であると結論づけた。損害については慰謝料100万円及び弁護士費用10万円の合計110万円を認容し、公表記事の削除も命じた。ただし、休業損害については因果関係の立証が不十分として認めず、謝罪広告も金銭賠償及び記事削除で足りるとして棄却した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。