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知財

審決取消請求事件

判決データ

事件番号
令和1行ケ10161
事件名
審決取消請求事件
裁判所
知的財産高等裁判所
裁判年月日
2020年10月21日
裁判官
森義之佐野信中島朋宏

AI概要

【事案の概要】 本件は、「弾塑性履歴型ダンパ」に関する特許出願について、特許庁が進歩性欠如(特許法29条2項)を理由に拒絶査定不服審判請求を不成立とした審決の取消しを求める訴訟である。原告(Next Innovation合同会社)は、建物や橋梁等に設置され、地震時に剪断塑性変形により振動エネルギーを吸収する弾塑性履歴型ダンパについて特許出願をしたが、拒絶査定を受け、審判請求も退けられたため、知的財産高等裁判所に審決取消訴訟を提起した。 本件補正発明は、互いの向きが異なる二つの剪断部がダンパの端部を成す連結部を介して一連に設けられ、想定される入力方向に対して二つの剪断部の面内方向が傾斜するように設置され、剪断部が面外方向を含む方向に変形してエネルギーを吸収する弾塑性履歴型ダンパに関するものである。特許庁は、引用発明1(十字状・四角柱状の制震パネルダンパ)及び引用発明2(せん断パネル型ダンパーの配置方法)等に基づき、当業者が容易に発明し得たと判断していた。 【争点】 主な争点は、本件補正発明が引用発明1-1(十字状の制震パネルダンパ)及び引用発明1-2(四角柱状の制震パネルダンパ)に基づいて進歩性を欠如するか否かである。具体的には、(1)相違点の認定方法(ダンパの形状に関する構成を分断して別個の相違点とすべきか)、(2)引用発明の四角柱状又は十字状のパネル配置をL字状に変更する動機付けの有無、(3)「想定される入力方向」の技術的意義の解釈、が争われた。 【判旨】 知的財産高等裁判所は、原告の請求を認容し、審決を取り消した。 裁判所はまず、相違点の認定について、本件補正発明の「端部の連結部を介して一連に設けられる二つの剪断部」、「想定される入力方向に対し面内方向が傾斜するように設置される」構成、及び「ダンパを囲繞する空間が二つの剪断部の間の空間に一連である」構成は、いずれもダンパの形状を特定するものであり、相互に関連してダンパが振動エネルギーを吸収する機序に影響を与えるものであるから、これらを別個の相違点として独立に容易想到性を判断するのは相当ではないと判示した。 その上で、引用発明1は水平方向の全方向からの震動エネルギーを吸収するためのダンパであるのに対し、本件補正発明は振動エネルギーの入力方向を想定し、その方向及び近い範囲の方向からの振動を吸収するダンパであり、両発明の技術的思想は大きく異なると認定した。引用発明2のL字状配置は端部が連結されておらず、これを引用発明1に適用してもL字状に端部で連結する構成とする動機付けは認められないとし、周知技術(穴・スリット)を適用してもL字状の端部連結構成とはならないとして、本件補正発明の進歩性を認めた。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。