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知財

審決取消請求事件

判決データ

事件番号
令和1行ケ10112
事件名
審決取消請求事件
裁判所
知的財産高等裁判所
裁判年月日
2020年10月21日
裁判官
森義之眞鍋美穂子熊谷大輔

AI概要

【事案の概要】 本件は、特許無効審判請求に対する不成立審決の取消訴訟である。原告(株式会社ダイセル)は、被告(大塚製薬株式会社)が保有するエクオール及びオルニチンを含有する発酵物の製造方法に関する特許(特許第6275313号)について無効審判を請求したが、特許庁が訂正を認めた上で「審判の請求は成り立たない」との審決をしたため、その取消しを求めて知的財産高等裁判所に提訴した。本件訂正発明は、ダイゼイン類にアルギニンを添加し、オルニチン産生能力及びエクオール産生能力を有する微生物で発酵処理することにより、乾燥重量1g当たり8mg以上のオルニチン及び1mg以上のエクオールを含有する食品素材用の粉末状発酵物を製造する方法である。エクオールは大豆イソフラボンの代謝物で、更年期障害や骨粗鬆症の改善効果が示唆されている。 【争点】 主な争点は、(1)訂正要件違反の有無(発酵原料を「大豆胚軸」から「ダイゼイン類」に拡張する訂正等が新規事項の追加に当たるか)、(2)優先権主張の適否(基礎出願に「ダイゼイン類」を発酵原料とすることが記載されていたか)、(3)サポート要件及び実施可能要件違反の有無(ラクトコッカス20-92株以外の微生物や大豆胚軸以外の発酵原料についてサポートされているか)、(4)甲6文献に基づく新規性・進歩性欠如の有無である。原告は、明細書に開示されているのは「大豆胚軸」を発酵原料とする方法のみであり、「ダイゼイン類」全般を発酵原料とする広範な特許請求は認められないと主張した。 【判旨】 知財高裁は、原告の請求を棄却した。訂正要件について、明細書の段落【0093】に大豆胚軸以外のダイゼイン類を含む発酵原料が使用可能であることが記載されており、大豆胚軸はダイゼイン類を含む発酵原料の一例にすぎないとして、各訂正事項はいずれも新規事項の追加に当たらないと判断した。優先権主張について、基礎出願にはダイゼイン類を資化する微生物の使用や栄養成分の添加が記載されていること、及び本件優先日当時、ダイゼイン類を含む原料に栄養成分を添加してエクオールを生成することは技術常識であったことから、本件訂正発明は基礎出願に記載されていたに等しいと認定した。サポート要件等について、エクオール産生微生物のスクリーニング方法は本件原出願日当時の技術常識であり、既知のエクオール産生微生物のオルニチン産生能を検討する方法に格別の困難性はないとして、微生物を「属」や「種」で限定する必要はないと判断した。甲6文献との関係では、同文献にオルニチンの記載がなく、本件相違点は容易想到とはいえないとした。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。