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知財

審決取消請求事件

判決データ

事件番号
令和1行ケ10126
事件名
審決取消請求事件
裁判所
知的財産高等裁判所
裁判年月日
2020年10月22日
裁判官
鶴岡稔彦上田卓哉都野道紀

AI概要

【事案の概要】 被告が特許権者である鋼矢板圧入引抜機に関する特許(特許第5763225号)について、原告が3度目の特許無効審判を請求した事案である。本件特許は、U型鋼矢板を地中に圧入・引抜するための建設機械に関するもので、クランプ装置の組み替えにより、継手ピッチ400mm・500mm・600mmのいずれの鋼矢板であっても先頭からクランプして正規状態で施工できる構成を特徴とする。原告は、本件特許出願前に公然実施されていた圧入機「WP-150」(甲1発明)を主引例として、相違点に係る構成は当業者が容易に想到し得たと主張し、進歩性欠如による無効を主張した。特許庁は請求不成立の審決をしたため、原告がその取消しを求めて提訴した。なお、被告は3回の口頭弁論期日にいずれも出頭せず、答弁書等も提出しなかった。 【争点】 甲1発明との相違点(甲1発明では継手ピッチ400mmの場合に先頭の鋼矢板をクランプできず2枚目クランプ状態での施工となる点)について、当業者が容易に想到し得たか否か。具体的には、(1)一体型チャックフレームの交換(無効理由1)、又は(2)着脱式チャック装置の交換(無効理由2)により、400mmの場合でも正規状態での施工を可能にすることが容易であったか。 【判旨】 裁判所は、本件審決を取り消した。まず、正規状態での施工には既設鋼矢板から強力な反力が得られ共上がり・共下がりが発生しないという利点があること、2枚目クランプ状態での施工には過負荷により圧入機が不安定化し圧入引抜力が制限されるという問題点があることを技術常識として認定した。その上で、甲1発明において400mmの場合に2枚目クランプ状態で施工すると施工不能となるおそれがあるから、正規状態での施工が可能になるよう構成する動機付けが当業者にあるとした。そして、チャック装置の交換が可能な構成は周知であり、400mm用のチャック装置は600mm用より小さいことも周知であることから、周知事項を適用して干渉問題を解消し400mmでも正規状態での施工を可能にすることは当業者が容易に想到し得たと判断した。また、取扱説明書に記載された鋼矢板の溶接止めはあくまで次善の策にすぎず、阻害要因とはならないとした。従属請求項である本件発明2〜9についても、付加された構成の容易想到性を判断させるため審決を取り消した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。