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下級裁

詐害信託取消等請求事件

判決データ

事件番号
平成30ワ1940
事件名
詐害信託取消等請求事件
裁判所
札幌地方裁判所
裁判年月日
2020年10月30日
裁判官
萩原孝基佐藤克郎

AI概要

【事案の概要】 本件は、札幌市(原告)が、合同会社Aに対して事業所税に係る租税債権を有しているところ、Aが唯一の資産である土地を被告Dに信託し、さらにその受益権と委託者の地位を被告B及び被告Cに移転したことが詐害行為に当たるとして、信託法11条1項及び民法424条1項に基づき、信託契約・受益権譲渡・委託者地位移転の各取消しと抹消登記手続を求めた事案である。 Aはホテル事業を運営する合同会社であり、被告Bはそのホテルの「会長」として実質的な経営者であった。札幌市は平成28年7月にAに対する税務調査を行い、同年9月にAを事業所税の納税義務者と認定して申告納付を促した。ところがAは、この認定通知到達と同日の平成28年9月8日付けで本件土地を被告Dに信託する契約を締結し、同月28日には受益権と委託者の地位を被告B・Cに移転した。その後、札幌市長は同年10月4日に事業所税(総額約2725万円)を決定した。 【争点】 (1) 事業所税の決定通知前に行われた本件各行為について、未確定の租税債権を詐害行為取消権の被保全債権とすることができるか。 (2) 本件各行為に詐害性があるか(本件土地がAの責任財産を構成するか)。 (3) Aに詐害意思があったか。 (4) 被告B及び被告Cが詐害性について善意であったか。 【判旨】 裁判所は、原告の請求をいずれも認容した。 争点(1)について、詐害行為取消権の被保全債権は原則として詐害行為前に発生している必要があるが、債権発生の基礎となる事実や法律関係が存在し、その発生が高度の蓋然性をもって見込まれる場合には、被保全債権とすることができると判示した。本件では、札幌市が平成28年9月8日までにAを事業所税の納税義務者と認定し、その旨をAに通知していたことから、同日の時点で租税債権の発生に必要な事実関係が生じており、高度の蓋然性があったと認定した。 争点(2)について、被告らは本件土地の実質的所有者は被告B・Cであり、Aは名義を貸しただけと主張したが、裁判所は、共有名義での入札が可能であったにもかかわらずA名義で入札した合理的理由がないこと、売買代金の出捐に関する裏付け証拠が不十分であることを指摘し、本件土地はAの責任財産を構成すると判断した。Aは事業所税約2725万円の債務により実質的に債務超過であり、本件各行為には詐害性が認められるとした。 争点(3)及び(4)について、Aは決算書の内容や事業所税の申告納付の促しを認識しており、詐害意思が認められるとした。また、被告BはAの実質的経営者であり財務状況を把握していた可能性があること、被告Cも副会長として把握していた可能性を否定できないことから、善意の立証は不十分であるとした。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。