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行政

更正をすべき理由がない旨の通知処分取消請求控訴事件

判決データ

事件番号
令和1行コ302
事件名
更正をすべき理由がない旨の通知処分取消請求控訴事件
裁判所
東京高等裁判所
裁判年月日
2020年11月4日
裁判官
秋吉仁美田村政巳小西洋

AI概要

【事案の概要】 競馬の勝馬投票券(馬券)の的中による払戻金に係る所得を得ていた被控訴人(原告・納税者)が、平成24年分から平成26年分までの所得税について、当初は競馬所得を一時所得として確定申告をしたものの、その後、雑所得に該当するとしてそれぞれ更正の請求を行った。雑所得に該当する場合、外れ馬券の購入費用を必要経費として控除できるため、納税者にとって有利となる。これに対し、税務署長は、いずれの更正の請求についても更正をすべき理由がない旨の通知処分をした。被控訴人は、独自のソフトウェアを使用し、過去のレースデータを分析して馬券を選別購入する手法を採っており、平成22年から平成26年の5年間に1万以上のレースで馬券を購入し、うち4年間で回収率100%超を実現して総額3000万円を超える利益を上げていた。もっとも、平成24年には約790万円の損失を計上していた。原審(東京地裁)は、通常馬券に係る所得について雑所得該当性を認め、被控訴人の請求を一部認容したため、国(控訴人)が敗訴部分を不服として控訴した。 【争点】 馬券の払戻金に係る所得が、所得税法34条1項の「営利を目的とする継続的行為から生じた所得」として雑所得に該当するか、それとも一時所得に該当するかが争点である。具体的には、被控訴人の馬券購入行為が「継続的行為」に当たるか(継続的行為該当性)、及び「営利を目的とする」ものといえるか(営利目的該当性)が問題となった。控訴人(国)は、馬券の購入額が先例の最高裁判決で肯定された事案と比較して少額にとどまること、年間回収率が100%未満の年があり乱高下していることなどを指摘し、雑所得該当性を否定すべきと主張した。一方、被控訴人は、期待回収率75%を大きく上回る実績があり独自のノウハウの存在が推認されること、総体として観察すれば営利目的該当性は認められることなどを主張した。 【判旨】 東京高裁は、原判決の一部認容部分を取り消し、被控訴人の請求をいずれも棄却した。裁判所は、「営利を目的とする継続的行為」といえるためには、ある程度の期間継続して客観的にみて利益が上がると期待し得る行為であることが必要と解した上で、被控訴人の収支状況を検討した。平成22年から平成26年の5年間で4年間は利益を上げたものの、平成24年に約790万円の損失を計上しており、この損失額は平成23年を除く利益年の年間利益額を超えるものであること、利益と損失が年によって乱高下していること、月別に細分化しても60か月中31か月で損失が生じていることなどから、恒常的に利益を上げていたとは認められないと判断した。また、期待回収率75%を上回っていても利益を上げない以上は利益を期待できず、偶発性は排除できないとし、被控訴人が客観的にみて利益が上がると期待し得る独自のノウハウを有していたとは認められないと結論づけた。本判決は、ソフトウェアを用いた馬券の選別購入であっても、購入額の規模や利益発生の安定性が先例の最高裁判決の水準に達しない場合には、雑所得該当性が否定されることを示した事例である。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。