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知財

(事件名なし)

判決データ

事件番号
令和2行ケ10005
事件名
(事件名なし)
裁判所
知的財産高等裁判所
裁判年月日
2020年11月10日
裁判官
高部眞規子小林康彦高橋彩

AI概要

【事案の概要】 原告(特種東海製紙株式会社)は、「ガラス板合紙用木材パルプ及びガラス板用合紙」に関する特許出願(特願2014-554542)を行ったが、拒絶査定を受けたため不服審判を請求した。特許庁は本件審判請求は成り立たないとする審決をしたため、原告がその取消しを求めて知的財産高等裁判所に提訴した。 本願発明は、液晶ディスプレイ等のフラットパネル・ディスプレイ用ガラス板を積層保管する際に間に挟む合紙に関するもので、木材パルプを原料とし、紙中に含まれるシリコーンの量を絶乾質量に対して0.5ppm以下としたガラス板用合紙である。合紙中のシリコーンがガラス板に転写されると、液晶パネル製造工程で配線の断線等の不良が生じるため、シリコーン含有量を低減することで表面汚染を防止するという技術思想に基づく発明である。 本件審決は、先願(特願2012-280085)に記載された発明と本願発明が同一であるとして、特許法29条の2により特許を受けることができないと判断した。 【争点】 主な争点は以下の3点である。第一に、先願発明が発明として未完成であるか否か(主位的主張)。原告は、先願明細書の実施例においてソックスレー抽出の抽出時間・抽出溶媒が不明であること、有機ケイ素化合物が具体的に何であるか不明であること、NMRによる定量の標準品の記載がないこと等を理由に、先願発明の技術的思想は完成していないと主張した。第二に、先願発明の認定の誤り(予備的主張1)。原告は、先願明細書の実施例では有機ケイ素化合物がポリジメチルシロキサンとは特定されておらず、先願発明の認定が誤りであると主張した。第三に、相違点2の判断の誤り(予備的主張2)。原告は、本願発明のシリコーン含有量の上限0.5ppmと先願発明の有機ケイ素化合物含有量3ppm以下との差は課題解決のための微差とはいえず、両発明は実質的に同一ではないと主張した。 【判旨】 知的財産高等裁判所は、原告の請求を棄却した。 第一の争点について、裁判所は、先願明細書の記載から有機ケイ素化合物がポリジメチルシロキサンを意味すると理解するのが自然であり、ソックスレー抽出やNMRによる定量分析は出願時の技術常識であったとして、先願発明は当業者が反復実施して目的とする技術効果をあげることができる程度に構成されており、未完成発明には当たらないと判断した。 第二の争点について、裁判所は、先願明細書に配線不良の原因となる有機ケイ素化合物にポリジメチルシロキサンが含まれることが記載されていることから、先願発明の認定に誤りはないとした。 第三の争点について、裁判所は、本願発明の「0.5ppm以下」の範囲と、先願発明の「好ましくは1ppm以下」かつ「0.05ppm以上が好ましい」とされる範囲は重複すること、シリコーン含有量が少ないほど不良発生が低減されるという効果は先願明細書から理解できる事項であって新たな効果とはいえないことから、相違点2は実質的な相違点ではなく、両発明は同一であると判断した。以上により、本件審決の判断に誤りはないとして原告の請求を棄却した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。