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【事案の概要】 日野市は、都市計画公園「北川原公園」の予定地(約9.6ヘクタール)の一部において、ごみ焼却施設「日野クリーンセンター」の建替えに伴い、廃棄物運搬車両が通行するための専用道路(本件通行路)を整備することとした。この専用道路の整備は、地域住民の要望により廃棄物運搬路を浅川ルートから多摩川ルートに変更したことに伴うものであり、日野市・国分寺市・小金井市の3市による可燃ごみの広域処理に関する合意に基づき、30年間の暫定的な利用とする方針で進められた。日野市は当初、都市公園法上の兼用工作物として整備する案を検討したが、東京都から「公園施設とすることに疑問が残る」との回答を受けて断念し、都市計画の変更手続を経ないまま、設計委託契約・工事請負契約等の各契約(代金合計約2億5154万円)を締結して本件通行路を設置した。日野市の住民84名が、市長Aのした各契約の締結が違法であるとして、地方自治法242条の2第1項4号に基づき、A市長に対する損害賠償請求をすることを求める住民訴訟を提起した。 【争点】 都市計画公園の予定地内に、都市計画の変更手続を経ずに廃棄物運搬車両の専用道路を設置するための各契約を締結したことが、財務会計法規上違法であるか。被告は、本件通行路は30年間の暫定利用であり都市計画の変更を要しないと主張した。 【判旨】 裁判所は、原告らの請求を全部認容し、A市長に対して約2億5154万円の損害賠償請求をするよう命じた。まず、都市計画と異なる都市施設の設置が当該都市計画の実質的な変更と評価される場合に、都市計画変更手続を経ずにこれを行うことは、都市計画法が定める住民の意見提出機会の確保や都市計画審議会の議決等の手続規定を潜脱するものであり、都市計画法上違法であると判示した。本件通行路については、3市の廃棄物運搬車両の専用道路であり、両側にフェンスが設置され一般車両や歩行者が進入できない構造であることから、都市公園としての効用を有するものとは認め難いとした。また、30年間の暫定利用との主張に対しては、都市計画運用指針が目標年次をおおむね20年後としていること、新クリーンセンターが耐用年数を超えて稼働する可能性や次期施設の設置場所が未定であることから、30年間を過ぎても廃棄物運搬路として利用される相当程度の確率があるとして、暫定的利用とはいえないと判断した。さらに、事後的に兼用工作物とする方針決定がなされた点についても、都市計画法違反の違法性は治癒されず、平日夜間と週末にのみ一般利用を開放している実態では都市公園としての効用を獲得したとは認められないとした。