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知財

損害賠償請求事件

判決データ

事件番号
平成31ワ10672
事件名
損害賠償請求事件
裁判所
東京地方裁判所
裁判年月日
2020年11月17日

AI概要

【事案の概要】 まつげエクステ専門店を営む原告(株式会社リリーラッシュ)が、元従業員である被告Aが原告を退職後、同一市内にある競合サロンで勤務を開始した際に、原告の顧客カルテの施術履歴を不正に取得・使用等したことが不正競争防止法2条1項4号の不正競争行為に該当するとして、被告Aならびに当該サロンの経営者である被告B・被告Cに対し、損害賠償金約15万9903円の支払い及び顧客情報の使用差止め・廃棄を求めた事案である。 被告Aは平成29年9月に原告を退職後、同年12月に開業した被告ら店舗でアイリストとして勤務を開始した。被告Aは開業当日、原告の現職従業員Dに対しLINEで「友達のカルテ、もらえたりしないかな?誰にもバレずに」と依頼し、自身の友人である顧客2名分の施術履歴が記載された顧客カルテの画像を取得した。原告は、顧客カルテはバインダーに綴じて「マル秘」シールを貼付し、就業規則や入社時誓約書で秘密情報として管理していたと主張した。 【争点】 主な争点は、(1)顧客カルテの施術履歴が不正競争防止法上の「営業秘密」(秘密管理性・有用性・非公知性)に該当するか、(2)被告B及び被告Cが被告Aの不正取得行為を知り又は重過失により知らないで施術履歴を使用等したか、(3)原告の損害額の3点である。特に秘密管理性の有無が中心的な争点となった。 【判旨】 裁判所は原告の請求をいずれも棄却した。 秘密管理性について、裁判所は以下の事情を総合考慮し、顧客カルテの施術履歴は「秘密として管理されている」とはいえないと判断した。第一に、顧客カルテはバックルームの棚に保管されていたが、施錠はなく従業員は自由に入退室・閲覧が可能であった。第二に、店舗間でカルテを共有するため、従業員全員が参加するLINEグループで私用スマートフォンで撮影した画像を上司の許可なく日常的に送信しており、全従業員の私用端末に画像が保存される状態であった。第三に、カルテ自体に秘密であることを示す記載はなく、被告A在職時にバインダーに「マル秘」シールが貼られていた事実も認定できなかった。第四に、就業規則や入社時誓約書の秘密情報の定義は一般的なものにとどまり、顧客カルテが秘密であることを具体的に示すものではなかった。 また、被告AのLINEメッセージ(「誰にもバレずに」「内緒でお願いします」等)についても、退職時に原告代表者との関係が悪化していたことや競業避止義務違反の懸念から自身の行為を知られたくなかっただけであり、カルテを秘密情報と認識していた根拠にはならないとした。 被告B・被告Cについては、秘密管理性が否定された以上、不正競争の前提を欠くうえ、本件送信行為を平成30年5月頃まで知らなかったことから、悪意又は重過失も認められないとした。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。