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下級裁

覚せい剤取締法違反被告事件

判決データ

事件番号
令和2う93
事件名
覚せい剤取締法違反被告事件
裁判所
広島高等裁判所
裁判年月日
2020年11月17日
裁判種別・結果
棄却
裁判官
多和田隆史水落桃子廣瀬裕亮
原審裁判所
広島地方裁判所

AI概要

【事案の概要】 被告人は、覚醒剤の自己使用2件及び覚醒剤の所持1件で起訴された。捜査の端緒として、警察官3名が、暴力団組織による規制薬物の密売場所として把握していたアパートに被告人が入っていくのを目撃し、薬物使用前科等から覚醒剤使用の嫌疑を抱いて職務質問を開始した。被告人は尿の任意提出を拒否し、警察官が制止する中で階段に座り込んだ。その後、被告人が体調不良を訴えたため救急車が呼ばれたが、被告人は「警察官が周りにいたら救急車には乗りたくない」と拒否し、20〜30分間のやり取りが続いた。最終的に警察官4名が被告人の手すりを掴む指を一本ずつ引きはがし、両脇と両太腿を持って階段から降ろしてストレッチャーに乗せ、病院に搬送した。病院での治療後、強制採尿令状に基づき尿が差し押さえられた。被告人は控訴審において、職務質問開始から強制採尿令状提示までの警察官の一連の行為が実質的逮捕ないし違法な留め置きに当たり、得られた証拠は違法収集証拠として排除されるべきと主張した。 【争点】 職務質問の開始から強制採尿令状の提示に至るまでの約4時間27分にわたる警察官の一連の行為が、実質的逮捕又は違法な留め置きに当たるか。具体的には、①留め置き時間の長さ、②アパート敷地内への無断立入り、③服薬の制限、④職務質問中の有形力行使(特に被告人をストレッチャーまで運んだ搬送措置)、⑤救急車内での携帯電話使用の制限が、それぞれ違法といえるか、また違法収集証拠として証拠能力が否定されるべきかが争われた。 【判旨(量刑)】 広島高裁は控訴を棄却した。まず留め置き時間について、救急搬送後は被告人自身が搬送に同意し病院からの退去意思も示していないため、問題となるのは職務質問開始から搬送までの約75分間にとどまるとした。アパート敷地内での職務質問は、門扉等がなく自由に出入り可能で、範囲も共用部分の外階段にとどまり、覚醒剤使用の高度の嫌疑に基づく相応の必要性があったとして任意処分として許容されるとした。被告人をストレッチャーまで運んだ搬送措置については、有形力行使自体は相当強度のものであったことを認めつつも、被告人自身が体調不良を訴え救急搬送を希望していた経緯や、搬送直後に被告人が改めて搬送への同意を示したことから、警察法2条の責務に基づく措置と評価でき、仮に違法と評価すべきであっても違法の程度はさほど大きくないとした。救急車内での携帯電話の通信切断については行き過ぎた措置であることを認めつつも、最終的に救急隊員の対応により情報伝達がなされたことから違法の程度は大きくなく、強制採尿令状に基づく差押えとの間に密接な関連性もないとして、証拠能力に影響しないと判断した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。