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知財

特許法74条1項を原因とする特許権移転登録請求事件

判決データ

事件番号
平成30ワ22338
事件名
特許法74条1項を原因とする特許権移転登録請求事件
裁判所
東京地方裁判所
裁判年月日
2020年12月1日
裁判官
柴田義明佐伯良子棚井啓

AI概要

【事案の概要】 本件は、編レースの製造販売を目的とする原告(岡本レース株式会社)が、毛織物の製造業等を目的とする被告(松山毛織株式会社)に対し、特許法74条1項に基づき、ラップネットに関する特許権の持分2分の1の移転登録を求めた事案である。 ラップネットとは、家畜用飼料である乾牧草を円柱状に成形したロールベールの外周を被覆し、形状を維持して運搬・保管するためのネットである。従来はポリエチレンフィルムのスリットヤーンで製造されていたが、除去作業が困難で事故が発生し、残渣が家畜に害を与え、産業廃棄物としての処分コストも大きいという問題があった。被告は平成24年10月頃、生分解性ポリエチレンフィルムを素材としたラップネットの開発を開始し、原告に編布を依頼した。平成25年1月に畜産試験場を訪問した際に綿実を牛に与えているとの話を聞いたことを契機に、綿糸を使用したラップネットの開発が進められた。被告は原告やタカキタと共同開発契約を締結する一方、被告代表者を単独の発明者として特許出願し、平成28年3月に特許権の設定登録を受けた。原告は、原告代表者及びその弟であるAⅰが被告代表者と共同で発明をしたと主張し、本件特許権の持分移転を求めた。 【争点】 主な争点は、(1)原告代表者及びAⅰが被告代表者と共同で本件各発明をしたか、(2)原告代表者及びAⅰが本件特許を受ける権利の持分2分の1を有していたか、の2点である。特に、ラップネットの経糸・緯糸にセルロース系繊維(綿糸)を使用するという本件発明1の特徴的部分と、巻上げローラを往復運動させるあや振り機構を適用するという本件発明11の特徴的部分について、原告側の関与の有無が争われた。 【判旨】 裁判所は原告の請求を棄却した。 本件発明1の特徴的部分(経糸・緯糸にセルロース系繊維を使用したラップネット)について、原告代表者が綿糸の使用を着想し被告に提案したとの原告側の供述を裏付ける客観的証拠がないとした。むしろ、被告代表者が畜産試験場での話をきっかけに綿糸を想起し、平成25年3月には経糸用の綿糸製造を他社に依頼していた事実など、被告側の供述に相応の信用性があると判断した。経糸にも綿糸を使用する点についても、被告が同年5月9日以前から複数種類の綿糸の製造を依頼していたことを考慮し、原告代表者が着想・提案したとは認められないとした。また、原告が行った編布作業は、被告提供の綿糸を用い一般的なラッシェル編機で行ったものであり、特別な技術を要するものではないとした。 本件発明11の特徴的部分(あや振り機構の適用)についても、あや振り自体が繊維業界の基本的技術であり、被告が昭和60年頃から保有する整経機にもあや振り機構が備わっていたこと、原告の試作品には平成26年5月頃まで巻取り後の凹凸が残っていたことなどから、原告代表者があや振り技術の適用を独自に着想したとは認められないとした。明細書に記載された数値も被告代表者が独自に計算したものであり、原告から提供された情報はなかった。 以上から、原告代表者及びAⅰが本件各発明の特徴的部分の完成に現実に関与したとは認められず、共同発明者とはいえないとして、請求を棄却した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。