東京都市計画高度地区(港区決定)計画書第7項に基づく許可処分取消請求控訴事件
判決データ
- 事件番号
- 令和1行コ168
- 事件名
- 東京都市計画高度地区(港区決定)計画書第7項に基づく許可処分取消請求控訴事件
- 裁判所
- 東京高等裁判所
- 裁判年月日
- 2020年12月2日
- 裁判官
- 瀬戸口壯夫、廣田泰士、和波宏典
AI概要
【事案の概要】 東京都市計画高度地区(港区決定)において建築物の高さの最高限度が35メートルとされている地区内に所在する分譲マンションの建替え計画をめぐる行政訴訟の控訴審である。同マンションの管理組合と賃貸部分の区分所有者が共同で港区長に対し、都市計画計画書7項に基づく絶対高さ制限の緩和許可(7項特例許可)を申請し、港区長は計画高さ79.95メートルの建築物について許可を行った。これに対し、同マンションの区分所有者の一人である控訴人が、管理組合による申請部分は管理組合ないしその組合員からの授権を欠き無効であるなどと主張して、本件許可の取消しを求めた。原審(東京地裁)は控訴人の原告適格及び訴えの利益を肯定した上で請求を棄却し、控訴人が控訴した。 【争点】 (1) 控訴人の原告適格及び訴えの利益の有無(建替え決議が未了であることが原告適格を否定する理由となるか) (2) 本件許可の適法性(管理組合による申請部分の授権の欠缺が許可の取消事由に当たるか、追認の可否、申請手続の違法性の有無) (3) 管理組合の補助参加の許否 【判旨】 控訴棄却。裁判所は、まず原告適格及び訴えの利益について、円滑化法に定めるマンション建替事業の施行が予定されている区分所有者は、7項特例許可により権利変動を受ける地位に立たされるため、建替え決議が未了であっても原告適格が認められるとした。また、民事訴訟で建替え決議の可否を争う方法があることをもって訴えの利益は否定されないとした。 本件許可の適法性については、7項特例許可の本質はマンション建替え計画に係る建築物を対象とする対物処分であり、管理組合による申請部分の授権の欠缺は許可の取消事由たる瑕疵とはならないと判断した。さらに付言として、仮に瑕疵があったとしても、民法の無権代理の規定に準じて許可処分後の追認も可能であり、臨時総会での追認決議により瑕疵は治癒されたと認定した。控訴人が主張した入札妨害の企図についても、建替え検討協力者が施工者に確定しているわけではなく、競争原理に従った他の業者の選定は否定されていないとして、裁量権の逸脱・濫用は認められないとした。