都道府県を選択して、裁判官を探すことができます

全国 2522 人の裁判官3132 件の口コミ
下級裁

傷害

判決データ

事件番号
平成29わ4869
事件名
傷害
裁判所
大阪地方裁判所
裁判年月日
2020年12月4日

AI概要

【事案の概要】 被告人は、平成29年6月26日午後2時40分頃から翌27日午前8時3分頃までの間に、生後4か月の長男Aの身体を揺さぶるなどして頭部に衝撃を与える暴行を加え、急性硬膜下血腫及び両側眼底出血の傷害を負わせたとして、傷害罪で起訴された。被告人は育児を主に担当しており、託児所への送迎の際、抱っこひもを用いてAを縦抱きにした状態で自転車に乗っていた。6月27日午前8時50分頃、託児所でAに異変が生じ、病院でAの頭部に新旧の硬膜下血腫及び両眼の広範な網膜出血が確認された。検察官は、揺さぶられっ子症候群(SBS)に基づき被告人の暴行を主張し、懲役3年を求刑した。 【争点】 主な争点は、(1)Aの急性硬膜下血腫が身体を激しく揺さぶるなどの暴行によって生じたものか、それとも既存の慢性硬膜下血腫の影響下でより軽微な外力によっても生じ得たか、(2)多層性・多発性の眼底出血が揺さぶり行為の存在を推認させるか、(3)被告人が犯人であると認定できるか、の3点である。 【判旨(量刑)】 大阪地裁は、被告人に無罪を言い渡した。まず急性硬膜下血腫の発生機序について、検察側のE医師・D医師は急性・慢性の硬膜下血腫が離れて存在することを前提に暴行による受傷を主張したが、弁護側のF医師は、CT・MRI画像の立体的分析に基づき、頭頂部付近で急性硬膜下血腫が慢性硬膜下血腫に覆いかぶさるように隣接して存在すると証言した。裁判所はF医師の証言を採用し、広範な慢性硬膜下血腫により架橋静脈全体が伸展されて通常より断裂しやすい状態にあったため、自転車の縦揺れ等のより軽微な外力でも架橋静脈が破断して急性硬膜下血腫が生じた可能性を排斥できないとした。次に眼底出血について、小児眼科医G医師は揺さぶられっ子症候群による網膜出血と証言したが、裁判所は、多層性・多発性の眼底出血が生じるための外力の程度に関する定量的研究が存在しないこと、眼底出血が1回の機会によるものとの評価にも別の理解が可能であること等を指摘し、眼底出血の存在をもって暴行を認定するには至らないとした。さらに、被告人の犯人性についても、育児ストレスは暴行に直結せず、被告人の不利な言動も気の動転や取調べによる心理的疲弊として理解可能であるとして、犯罪の証明がないと結論づけた。本判決は、既存の慢性硬膜下血腫の存在下における揺さぶられっ子症候群の認定に慎重な姿勢を示した点で、乳幼児虐待事件の事実認定において重要な先例である。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。