非認定処分取消請求控訴事件
判決データ
- 事件番号
- 令和2行コ11
- 事件名
- 非認定処分取消請求控訴事件
- 裁判所
- 仙台高等裁判所
- 裁判年月日
- 2020年12月14日
- 原審裁判所
- 仙台地方裁判所
AI概要
【事案の概要】 「挿入式クラスプ」の特許権を有する原告が、被告の製造・販売するクラスプ製品「ジキロック2」が原告の特許発明の技術的範囲に属するとして、特許法100条1項・2項に基づく差止め・廃棄及び不法行為に基づく損害賠償金2000万円等の支払を求めた事案。本件特許は、アクセサリ用のクラスプ(留め具)に関するもので、磁力で第1の磁気誘導部材と第2の磁気誘導部材を吸着させて接続し、片手でも容易に装着可能かつ小型化が可能なクラスプを提供することを目的とする発明である。 【争点】 主な争点は、(1)被告製品が構成要件C及びFの「第1の磁気誘導部材ホルダ」を充足するか、(2)被告製品が構成要件Dの「第2の磁気誘導部材ホルダ」を充足するか、(3)本件特許が無効とされるべきか、(4)損害額の4点であった。特に中心的争点は、被告製品において磁気誘導部材を保持する部分が筐体のフレームと一体成型されている場合に、特許の構成要件が充足されるかという点であった。 【判旨】 請求棄却。裁判所は、争点(2)の構成要件D充足性について判断し、本件発明の「第2の磁気誘導部材ホルダ」は「筐体」とは別の部材であることを要すると解した。その根拠として、構成要件の文言上、第2の磁気誘導部材ホルダは筐体の中空に設けられるとされ筐体と別のものであることが前提とされていること、明細書の記載においても筐体と第2の磁気誘導部材ホルダが別部材として記載されていること、さらに原告自身が特許審査段階の意見書において、引っ張る力が第2の磁気誘導部材ホルダにのみ加わり筐体には伝わらないという効果を主張しており、両者が別部材であることを前提としていたことを挙げた。被告製品は第2の磁気誘導部材を保持する部分が第2のフレームと一体成型されており、筐体とは別の「第2の磁気誘導部材ホルダ」を備えているとは認められないとして、構成要件Dを充足しないと判断した。その余の争点については判断するまでもないとして、原告の請求をいずれも棄却した。