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下級裁

損害賠償請求控訴事件

判決データ

事件番号
令和2ネ559
事件名
損害賠償請求控訴事件
裁判所
大阪高等裁判所
裁判年月日
2020年12月17日
裁判官
西川知一郎栩木有紀森田亮
原審裁判所
大阪地方裁判所

AI概要

【事案の概要】 控訴人A1は、被控訴人の開設する医院において、5胎妊娠の胎児の一部を減胎する手術(手術Ⅰ及び手術Ⅱ)を受けたが、その後、別の医療機関において人工妊娠中絶手術を受け、1児も出産するに至らなかった。控訴人A1及びその夫である控訴人A2は、人工流産に至ったのは執刀医が注意義務に反して手術Ⅱの際に太い穿刺針(16ゲージ)を使用し多数回の穿刺を行ったこと、感染症対策を怠ったこと等が原因であると主張し、使用者責任又は債務不履行に基づく損害賠償を請求した。また、控訴人A1は、当審において、執刀医が手術後に病室で入れ墨を見せて減胎手術の口外を禁じたことが脅迫行為に当たるとして、慰謝料請求を追加した。原審は控訴人らの請求をいずれも棄却し、控訴人らが控訴した。 【争点】 (1) 手術Ⅰにおける減胎対象胎児の心拍停止確認懈怠の過失の有無、(2) 手術Ⅱにおける16ゲージの太い穿刺針使用及び約30回の過剰穿刺の過失の有無、(3) 感染症対策懈怠の過失の有無、(4) 各過失と人工流産との因果関係の有無、(5) 執刀医による脅迫行為の成否、(6) 損害額 【判旨】 裁判所は、まず人工流産との因果関係について、直接の原因は絨毛膜羊膜炎による前期破水であるところ、手術後の炎症反応は減胎手術に伴う通常の範囲内であり7月初旬頃にはいったん治まっていたこと、手術Ⅱから羊水漏出確認まで50日以上経過していること、上行性の絨毛膜羊膜炎は細菌性膣炎が原因でも発症し得ること等から、本件手術及びその後の処置と絨毛膜羊膜炎の発症との間の相当因果関係を否定した。2児を無事出産できた相当程度の可能性も認められないとした。 他方、手術Ⅱにおける穿刺針の選択については、経腹的な減胎手術では21〜23ゲージの穿刺針が主流であったと認定し、16ゲージの穿刺針(断面積は21ゲージの6倍以上)を選択する合理性はおよそ見いだせないと判断した。技術的困難により穿刺回数が多数に及ぶことが想定される場合にはなおさら母体への侵襲抑制の観点から穿刺針の選択に細心の注意を払うべきであったとし、16ゲージの穿刺針を用いて約30回穿刺した行為は、母体の危険防止のために経験上必要とされる最善の注意義務に違反するとして、使用者責任及び債務不履行責任を認めた。損害額については、控訴人A1の腹部に広範囲の内出血が生じ手術から約2年9か月後も穿刺痕が残存していたこと等を考慮し、慰謝料50万円及び弁護士費用5万円の合計55万円を認容した。 脅迫行為の主張については、入れ墨を患者に見せる行為は医師として甚だ品位を欠いた不適切な行為であるとしつつも、害悪の告知はなく、違法な脅迫行為ないし強要行為として不法行為に該当するとはいえないとして請求を棄却した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。