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行政

障害基礎年金支給停止処分取消請求事件

判決データ

事件番号
平成27行ウ266
事件名
障害基礎年金支給停止処分取消請求事件
裁判所
大阪地方裁判所
裁判年月日
2019年1月10日
裁判官
松永栄治森田亮横井真由美

AI概要

【事案の概要】 原告は昭和36年生まれの男性で、平成15年1月に右脳内出血を発症し、左片麻痺の後遺症が固定した。平成18年、原告は厚生労働大臣に障害基礎年金の裁定請求をし、同年8月、障害等級2級(国民年金法施行令別表15号「身体の機能の障害等により日常生活が著しい制限を受ける程度のもの」)に該当するとの裁定を受け、以後障害基礎年金の支給を受けてきた。 ところが、平成25年10月に原告が提出した診断書を審査した厚生労働大臣は、平成26年2月5日付けで、原告の障害の状態は2級に該当しなくなり3級の状態にとどまるとして、障害基礎年金の支給を停止する本件処分を行った。原告は近畿厚生局社会保険審査官への審査請求、社会保険審査会への再審査請求をいずれも棄却されたため、本件処分の取消しを求めて本訴を提起した。 障害等級の認定は実務上、旧社会保険庁長官通知に基づく「障害認定基準」に従って行われており、肢体の障害が上肢と下肢の広範囲にわたる多発性障害の場合、同基準の「第7節第4(肢体の機能の障害)」により認定することとされている。同基準は、2級相当の例として「一上肢及び一下肢の機能に相当程度の障害を残すもの」を挙げ、その注書き(本件なお書)として「上肢と下肢の障害の状態が相違する場合には、障害の重い肢で障害の程度を判断し、認定する」と定めていた。 【争点】 主たる争点は、本件処分時における原告の障害の状態が障害等級2級に該当しないといえるかであり、具体的には、(1)第7節第4(肢体の機能の障害)による判断方法、特に本件なお書の解釈適用、(2)日常生活における各動作を「実際に完遂できるか」の観点で評価すべきか、それとも「動作を行う支障の度合い」の観点で評価すべきかが争われた。被告は、本件なお書が適用される場合には第7節第1(上肢の障害)等の基準により判断すべきであり、上肢・下肢それぞれの動作を個別にみて判断すべきと主張したのに対し、原告は、障害の重い左上肢に着目して同第4の基準により2級と認定されるべきと主張した。 【判旨】 大阪地裁は、本件なお書が本件例示表の注書きに位置付けられていることに照らせば、これは例示表を当てはめる際の留意点を示したものであり、障害の重い肢について第7節第4(肢体の機能の障害)の基準に従って障害の程度を判断することを示したものと解するのが文言上素直であるとした。多発性障害につき個別の関節等ではなく身体機能を総合的に認定するという認定要領の趣旨からしても、上肢と下肢で状態が相違するときに限って同第4を適用しないとする被告の解釈には合理性がないと判断した。 また、日常生活における動作の評価について、認定要領が日常生活の場面ごとに必要となる動作を掲げている以上、当該動作を実際に完遂できるか、日常生活における支障の程度を斟酌することが当然に予定されているとし、左手で水をすくえないのに「顔を洗う」が「一人でできてもやや不自由」にとどまるとはいえない、障害のない右手のみで代償して動作をこなしていることを根拠に「一人でできる」と評価するのは相当でない、と判示した。 こうした判断枠組みの下で原告の動作を個別に評価し、原告の左上下肢を全体としてみれば2級相当の状態とまではいえないものの、本件なお書に従って障害の重い左上肢に着目すれば、日常生活における動作のほとんどが「一人でできるが非常に不自由な場合」に該当するとして、原告の障害は2級に該当するとの結論を導き、本件処分を違法として取り消した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。