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損害賠償等請求事件

判決データ

事件番号
平成29ワ1630
事件名
損害賠償等請求事件
裁判所
東京地方裁判所
裁判年月日
2019年1月18日

AI概要

【事案の概要】 証券会社である原告が、弁護士である被告に対し、不正競争防止法違反および秘密保持義務違反による損害賠償等を求めた事案である。原告は「N1グローバル・ファンド」という金融商品を販売していたところ、被告は平成24年、同ファンドを購入した一人の顧客の代理人として原告を相手取り、勧誘行為が違法であるとして損害賠償を求める訴訟(第1訴訟)を提起した。第1訴訟は、原告が約2489万円を支払うこと、および「和解条項の内容の一切を第三者に口外しない」旨の秘密保持条項を含む訴訟上の和解で終了した。 その後、被告は、原告を退職した者から、本件ファンドの他の購入者に関する情報が記載されたメモの提供を受けた。被告は、これに基づき複数の購入者に対し「大幅な被害回復がなされた実績があります」と記載した書簡を送付して相談を勧誘し、うち8名を代理して改めて原告を相手取る損害賠償請求訴訟(第2訴訟)を提起した。第2訴訟は、原告が請求額の5割を超える7720万円の和解金を支払うことで終了した。また、被告の所属する法律事務所のウェブサイトには、第1訴訟の和解内容(損害の8割、約2500万円の支払で和解した旨)が解決事例として掲載された。原告は東京弁護士会に被告の懲戒請求を行い、被告は戒告処分を受けた。本件訴訟において原告は、被告がメモに記載された顧客情報を営業秘密として不正に取得・使用したことが不正競争防止法2条1項8号または5号に該当するとして顧客情報の使用差止めおよび1億円の損害賠償を求め、併せて和解の秘密保持条項違反を理由とする同額の損害賠償を選択的に請求した。 【争点】 主たる争点は、第一に、被告が原告退職者から受領したメモに記載されていた情報の具体的内容、第二に、当該情報の営業秘密該当性、第三に、原告退職者による不正取得行為または不正開示行為の介在の有無、第四に、被告の故意・重過失の有無、第五に、メモの所有権に基づく返還請求の可否、第六に、被告が第1訴訟の代理人として負う秘密保持義務の違反の有無、第七に、被告の行為と原告主張の損害との相当因果関係および損害額である。 【判旨】 裁判所は原告の請求をいずれも棄却した。 不競法に基づく請求については、本件訴訟にメモ自体は証拠提出されておらず、被告が自認する範囲を超えて電話番号・口座番号・担当者情報等まで記載されていたと認める客観的証拠がないため、提供を受けた情報はファンド購入者の氏名および住所にとどまると認定した。その上で、原告の顧客情報管理システムで管理された情報には営業秘密性を認めつつも、本件では退職者の氏名・所属・役職すら明らかでなく、同人が同システムへのアクセス権限を有していたと認めるに足る証拠がないとして不正開示行為の主張を排斥した。また、当該システムへのアクセス権は役職のない従業員にも比較的広く付与され、実際にパスワードを付さず顧客リストをメールでやり取りしていた運用実態が認められることから、不正手段を講じなくてもファンド購入者の氏名・住所に接する機会は十分にあったとし、不正取得行為の介在も否定した。メモの返還請求も、原告所有の用紙が使用されたと認める証拠がなく、現在の保有も立証されないとして棄却した。 秘密保持義務については、第1訴訟の原告代理人であった被告も当然の前提として本人と同様の義務を負うとし、事務所ウェブサイトに第1訴訟の概要・和解金額・和解時期を具体的に記載したことは秘密保持義務違反に当たると認めた。しかし、書簡中の「大幅な被害回復がなされた実績」との記載は抽象的であり、同記載から第1訴訟や和解条項の内容を推知することはできないとして、書簡送付行為については違反を否定した。そして、ウェブサイト掲載と原告主張の損害(調査対応費、信用毀損、証拠保全・仮処分・本訴の弁護士費用、第2訴訟の和解金・弁護士費用)との間には、いずれも相当因果関係を認めるに足りないとして、損害賠償請求を棄却した。第2訴訟は原告自身が販売用資料の問題を踏まえ自らの意思で相当額の和解金を支払ったものであり、ウェブサイト掲載行為に起因するとはいえないとの判断である。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。