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知財

不正競争行為差止等請求控訴事件

判決データ

事件番号
平成30ネ10038
事件名
不正競争行為差止等請求控訴事件
裁判所
知的財産高等裁判所
裁判年月日
2019年1月24日
裁判官
大鷹一郎古河謙一関根澄子
原審裁判所
東京地方裁判所

AI概要

【事案の概要】 本件は、サックス用ストラップ「バードストラップ」を販売する控訴人(原審原告)が、被控訴人(原審被告)の販売するサックス用ストラップ(被告商品)は、控訴人の商品(原告商品)の形態を模倣したものであり、不正競争防止法2条1項3号の不正競争行為(商品形態模倣行為)に該当すると主張して、同法3条に基づく販売差止め及び廃棄、同法4条に基づく損害賠償880万円及び遅延損害金の支払を求めた事案の控訴審である。 原告商品は、革パッド、ブレードクリンチ、V型プレート、ブレード(紐)及びフックの5パーツで構成されるサックス用ストラップであり、平成28年3月ころから販売されていた。控訴人代表者はもともとオーディオ販売会社の逸品館に勤務してバードストラップを開発し、被控訴人代表者とは業務協力関係にあったが、平成26年に控訴人を設立して同事業を承継した後、価格面で折り合わず被控訴人への旧原告商品の供給を断った経緯があった。被控訴人は、平成28年5月ころ、台湾の業者に新たなサックス用ストラップの開発を委託し、同年11月ころから被告商品の販売を開始したが、控訴人はこれを原告商品の模倣であると主張した。 原審(東京地裁)は、原告商品は旧原告商品からのモデルチェンジ商品であって保護の対象となるのはV型プレートの変更部分に基礎を置く部分に限られるとした上で、原告商品と被告商品のV型プレートの美観に基礎を置く部分は実質的に同一ではないとして控訴人の請求を棄却したため、控訴人が控訴した。 【争点】 主な争点は、(1)被告商品が原告商品の形態を模倣した商品に該当するか(実質的同一性及び依拠性)、(2)原告商品が日本国内で最初に販売された日から3年を経過した商品として不競法19条1項5号イにより保護期間の制限を受けるか、(3)控訴人が差止請求及び損害賠償請求の請求主体となり得るか、(4)控訴人の損害額である。 【判旨】 知財高裁は、原判決を変更し、控訴人の請求を一部認容した(差止・廃棄請求を認容、損害賠償として21万6981円及び遅延損害金の支払を命じる)。 まず、不競法2条1項3号によって保護される「商品の形態」とは、商品全体の形態をいい、モデルチェンジ前の旧原告商品と原告商品はV型プレートの両翼の形状及び幅が大きく変更されており、需要者が注意を引きやすい特徴的部分であるV型プレートの形態の相違により、商品全体として受ける印象は異なるものであるから、原告商品の形態は旧原告商品とは別個の形態として保護されるべきものであると判断した。原告商品の革パッド及びV型プレートの形態は「当該商品の機能を確保するために不可欠な形態」には当たらず、先行商品と比較してもありふれた形態ではないとした。 そのうえで、原告商品と被告商品は、基本的構成態様や各パーツの具体的構成態様において多数の共通点があり、商品全体の形態が酷似しているとし、V型プレートの中央部の形状、穴の位置、両翼の角度などの相違点は、商品全体からみるとささいな相違にとどまるとして、両商品の形態は実質的に同一であると認定した。 依拠性については、被控訴人代表者は控訴人代表者との長年の取引を通じて原告商品の前身商品の形態及びその特徴を熟知しており、原告商品のウェブサイト等を通じて容易にアクセスでき、被告商品の開発期間(約3か月)が原告商品の開発期間(約1年)より著しく短いことなどを総合考慮すれば、被控訴人は原告商品の形態に依拠して被告商品を作り出したものと認められると判断した。 また、原告商品は旧原告商品と実質的に同一とはいえないから、原告商品の最初の販売日は平成28年3月ころであり、不競法19条1項5号イの3年の保護期間内にあるとした。準拠法については、加害行為の結果発生地は販売先の各国であるものの、両当事者の本店所在地が日本国内であり販売先が複数国に及ぶことから、通則法20条により日本法がより密接な関係を有するとして日本法を適用した。損害額については、被告商品の海外販売75本分の利益16万6981円を控訴人の損害と推定し(不競法5条2項)、弁護士費用5万円を加えた合計21万6981円を認容した。 本判決は、モデルチェンジされた商品について不競法2条1項3号による保護を受けられる範囲を商品全体の形態として把握することを明示した点、海外向け販売における商品形態模倣行為の準拠法として日本法を適用した点で、実務上重要な意義を有する。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。