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下級裁

地位確認等請求控訴事件

判決データ

事件番号
平成30ネ729
事件名
地位確認等請求控訴事件
裁判所
大阪高等裁判所
裁判年月日
2019年1月24日
裁判官
中本敏嗣橋詰均三島恭子
原審裁判所
大阪地方裁判所

AI概要

【事案の概要】 本件は、日本郵便(一審被告)との間で期間の定めのある労働契約(有期労働契約)を締結し、郵便局で郵便外務業務(配達業務)等に従事している契約社員(一審原告ら8名)が、期間の定めのない労働契約を締結している正社員との間に存在する労働条件の相違は、労働契約法20条(当時)に違反するとして、主として、正社員用の給与規程・就業規則の適用される労働契約上の地位にあることの確認、正社員に支給される各手当相当額の支払(主位的には労働契約に基づく差額賃金、予備的には不法行為に基づく損害賠償)を求めた事案である。 問題とされた労働条件は、外務業務手当、郵便外務業務精通手当、年末年始勤務手当、早出勤務等手当、祝日給、夏期年末手当、住居手当、扶養手当、夏期冬期休暇、病気休暇の10項目に及ぶ。原審(大阪地裁)は住居手当(新人事制度導入後分)など一部の相違について労契法20条違反を認めて損害賠償を一部認容したが、両当事者とも敗訴部分を不服として控訴した。 【争点】 (1)契約社員と正社員との間の各労働条件の相違が労契法20条にいう「不合理と認められるもの」に当たるか、(2)同条違反と認められた場合の法的効果(正社員の労働条件が当然に適用されるか)、(3)違法と認められた場合の損害の範囲、以上の3点が争点となった。 【判旨】 大阪高裁は、最高裁判例(ハマキョウレックス事件・長澤運輸事件)に依拠し、労契法20条は同一労働同一賃金を前提とするものではなく、職務内容等の違いに応じた均衡のとれた処遇を求める規定であり、労働条件の相違の不合理性は賃金項目ごとにその趣旨を個別に考慮して判断すべきとの枠組みを示した。 その上で、住居手当については、転居を伴う配転がない新一般職との比較において、契約社員に一切支給しない相違は不合理であると認めた。また、年末年始勤務手当、年始期間の祝日給、夏期冬期休暇、病気休暇については、これらの手当・休暇の趣旨が契約社員にも一定程度妥当することから、有期労働契約が反復更新されて通算期間が5年を超えるような長期に及んだ契約社員については相違を設けることは不合理であるとし、労契法施行日時点で既に通算5年を超えていた7名及び途中で5年を超えた1名について請求を一部認容した。一方、外務業務手当、精通手当、早出勤務等手当、夏期年末手当、扶養手当については、職務内容や支給の趣旨(長期雇用前提の生活補助的性格)に照らし、相違は不合理とは認められないとした。 法的効果については、労契法20条違反があっても正社員の労働条件が当然に有期契約労働者に適用される効力はないとして、地位確認請求及び労働契約に基づく差額賃金請求(主位的請求)はいずれも棄却し、過失による違法な取扱いとして不法行為に基づく損害賠償のみ認容した。また、確認の利益を欠く口頭弁論終結日前の地位確認請求は却下された。本判決は、同種の有期・無期格差訴訟における「契約期間の長期化」という要素を不合理性判断に組み込んだ点で実務上重要な意義を有し、後の最高裁判決(令和2年10月判決)にも引き継がれる論点を含むものである。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。