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下級裁

生命身体加害誘拐,逮捕監禁,傷害

判決データ

事件番号
平成30わ596
事件名
生命身体加害誘拐,逮捕監禁,傷害
裁判所
名古屋地方裁判所
裁判年月日
2019年1月29日

AI概要

【事案の概要】 本件は、被告人が共犯者3名(A、B、C)と共謀の上、被害者(当時28歳男性)を生命又は身体に対する加害の目的で誘拐し、逮捕監禁して暴行を加え傷害を負わせたとされる事件である。共犯者Cが資金運用の依頼を名目に被害者を喫茶店に呼び出し、「同居人が会って話をしたい」などと虚偽の事実を告げ、被告人とCが同居するマンションの一室まで被害者を同行させた。同室に被害者を入室させた後、共犯者らは被害者の両手首及び両足首を紐状のもので緊縛し、黒色手提げバッグ内に詰め込むなどして脱出を不可能にした上、顔面を拳で複数回殴打し、全治約3週間の顔面打撲等の傷害を負わせた。被告人は、事件前日までにBから被害者をマンションに連れてくる旨告げられ、マンション入口の防犯カメラに目隠しをするよう指示されてこれを承諾し、さらにCからガラステーブルを片付けるよう指示されるや「ほかなにかやっておくことある?」とLINEで尋ねるなど、自ら事前準備に関与した。事件当日は、傘に炊飯器の釜を貼り付けた目隠し用道具を自作して実際に防犯カメラを遮蔽し、Cが告げていた虚偽の「同居人」役を演じて被害者と対面し、被害者を玄関に背を向けさせる役割を担った。さらにAの指示で被害者の身体を押さえつけ、自ら両足首を紐状のもので縛り、最終的にはバッグに詰め込まれた被害者をAの車両後部座席へ運び出した。なお、バッグ内に詰め込まれた被害者はその後連れ去られ死亡している。 【争点】 被告人及び弁護人は、第1の生命身体加害誘拐については被告人に正犯意思がなく罪責は幇助犯にとどまる旨、第3の傷害については共犯者との共謀の事実がなく無罪である旨を主張した。そこで、誘拐について正犯意思を有していたか、傷害について共犯者と意思連絡・共謀が成立していたかが争点となった。裁判所は、被告人が事件前日までに防犯カメラの目隠しとガラステーブルの撤去を指示されて承諾した時点で、これらの指示が被害者への暴行の発生を当然想定した上での事前準備であることを容易に察知し得たのであり、被害者を誘い込み暴行を加えることを成り行きとして十分想定していたと認定した。加えて、本件バッグや麻紐を見せられてなお目隠し道具を自作し、同居人役を演じ、被害者を押さえつけて足首を縛り、暴行で顔が腫れ上がった被害者入りのバッグを運び出すなど、事態の推移に応じて一貫して共犯者と行動を共にしていた事実から、暴行についても事前から意思を通じ合っていたと推認した。そして、犯行場所の提供、事前準備への主体的関与、同居人役という逃走防止の役割引受、被害者への物理的実力行使への直接関与などを総合すれば、被告人は犯行計画実行上必要かつ重要な役割を担ったと評価でき、Cへの追加準備の打診や目隠し道具の自作など相応の主体性・積極性が認められるとして、いずれの犯行についても自己の犯罪を行う意思すなわち正犯意思を有していたと認定し、共同正犯としての罪責を肯定した。 【判旨(量刑)】 裁判所は、被告人を懲役2年に処し、未決勾留日数中210日をその刑に算入した(求刑懲役3年)。加害目的を秘して被害者を欺罔して誘い込み、4人がかりで押さえつけ手足を縛り着衣を切断するなどして一方的に行動の自由を奪い、顔面を複数回殴打して全治約3週間の傷害を負わせ、挙げ句バッグに詰め込んで運び出すという一連の犯行態様を「被害者の人格を無視した誠に残忍なもの」と評価し、相互に密接に連絡を取り合っての事前計画性と役割分担も指摘した。被害者の屈辱・恐怖・無力感は察するに余りあり、バッグに詰め込まれた被害者がその後死亡している事情もあって遺族が厳罰を望むのも至極もっともであるとした。他方、被告人自身に被害者への恨みや利欲目的があったとまではいえず、共犯者の指示に従った従属的立場であったことは酌むべきであるものの、さしたる躊躇もなく指示に従い主体的・積極的に関与した点で考慮には限界があると述べた。公判で事実関係を概ね認めて反省を述べ、遺族に合計20万円の弁償金を支払い、前科がなく、母が社会復帰後の監督を誓約しているなどの有利事情を踏まえても、執行猶予は相当でないとして、酌量事情は刑期の面で考慮し主文の実刑を科すのが相当と結論した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。