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下級裁

国家賠償請求控訴事件

判決データ

事件番号
平成30ネ175
事件名
国家賠償請求控訴事件
裁判所
名古屋高等裁判所
裁判年月日
2019年1月31日
裁判官
戸田久水谷美穂子髙橋信幸
原審裁判所
名古屋地方裁判所

AI概要

【事案の概要】 本件は、刑事事件の公判を傍聴していた控訴人(被害者の成年後見人であり弁護士)が、傍聴席に持ち込んだノートパソコンを使用して傍聴記録を作成していたところ、裁判長が法廷警察権を行使してノートパソコンの使用を禁止する指示をしたことにより、成年後見業務及び法廷付添業務が妨害され、法廷記録作成権が侵害されて精神的苦痛を被ったと主張して、国家賠償法1条1項に基づき、国に対して慰謝料50万円等の支払を求めた事案である。 本件刑事事件は裁判員裁判事件であり、控訴人は被害者及びその付添人とともに特別傍聴席の提供を受けて傍聴していた。控訴人は、ノートパソコンの文書作成機能を使って傍聴記録を作成していたにすぎず、録音録画やインターネット送信をする意図はなかったが、裁判長は書記官を介し、使用目的や機能を確認することなくノートパソコンの使用中止を指示した。原審の名古屋地方裁判所は控訴人の請求を棄却したため、控訴人が控訴した。 【争点】 裁判長が傍聴席におけるノートパソコンの使用を禁止した本件指示が、法廷警察権の目的・範囲を著しく逸脱し、またはその方法が甚だしく不当であるなどの特段の事情があり、国家賠償法1条1項にいう違法な公権力の行使に当たるか否かが争点となった。特に、傍聴人の使用目的や機器の機能を個別に確認するなどの合理的調整を尽くさずに一律禁止した点、及び控訴人が被害者の成年後見人という特別な立場にあった点の評価が問題となった。 【判旨】 本件控訴を棄却した。裁判長には裁判所法71条・刑事訴訟法288条2項に基づき法廷の秩序維持のための広範な裁量が委ねられており、その措置は法廷警察権の目的・範囲を著しく逸脱し、又はその方法が甚だしく不当であるなどの特段の事情のない限り違法とはいえない(平成元年最高裁判決参照)。 ノートパソコンは録音録画機能や通信機能を備え、外観からその有無や使用状況を判別することは困難であり、使用者の意図を確認しようとすること自体が手続の進行を妨げ、適正かつ迅速な裁判の実現の妨げとなり得る。また、訴訟関係人や他の傍聴人に録音録画への疑念を生じさせ、心理的圧迫を与えるおそれもある。したがって、傍聴席におけるノートパソコンの使用を一律に禁止することをもって、直ちに法廷警察権の逸脱があるとはいえない。 控訴人が被害者の成年後見人かつ弁護士であり、実際には文書作成のみに使用していたとしても、特別傍聴席を用意するなどの配慮と、ノートパソコン使用を認めることとは別個の問題であり、本件指示に違法はない。名古屋高裁・地裁庁舎の注意書に電子機器使用を明示的に禁じる記載がないことも、上記結論を左右しないとした。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。