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損害賠償請求事件(本訴),使用料規程無効確認請求事件(反訴)

判決データ

事件番号
平成28ワ28925
事件名
損害賠償請求事件(本訴),使用料規程無効確認請求事件(反訴)
裁判所
東京地方裁判所
裁判年月日
2019年2月1日

AI概要

【事案の概要】 本件は,本訴と反訴からなる民事事件である。本訴原告は,地上テレビジョン放送事業者から著作権・著作隣接権のうち有線放送権等について信託により管理委託を受けた一般社団法人日本テレビジョン放送著作権協会(JASMAT)であり,著作権等管理事業法に基づく登録管理事業者として,全国384の有線テレビジョン放送事業者との間で使用許諾契約を結び使用料を徴収している。被告は,徳島県板野郡北島町・松茂町の全域及び上板町の一部で有線テレビジョン放送事業を営む株式会社であり,毎日放送・朝日放送・関西テレビ・テレビ大阪・四国放送・讀賣テレビ等の地上テレビジョン放送を受信して同時再放送(同一時間にかつ内容を変更せず再放送)している。 被告は,讀賣テレビを除く各放送事業者から放送法11条に基づく再放送の同意を得,讀賣テレビについては総務大臣による同意裁定を得ていた。一方,原告が平成25年に文化庁長官に届け出た使用料規程は,放送対象地域内の再放送(区域内再放送)と放送対象地域外の再放送(区域外再放送)とで使用料に5倍の差を設け,また年間包括契約か否かで2倍の差を設けていた。さらに原告とケーブル連盟との基本合意では,区域外再放送のうち欠落波と重複波等で異なる使用料を定めていた。被告は,他の全国有線テレビジョン放送事業者の多くが適用されているケーブル連盟ベースの低額使用料の適用を求めたが,原告はこれを拒絶し交渉は決裂。被告は毎年度の使用料を供託したものの,契約未締結のまま再放送を継続したため,原告は著作権法114条3項に基づき使用料規程記載の額(月額・区域外100円等)で計算した損害賠償として約3億5900万円(弁護士費用込み)を請求した。 反訴として被告は,本件使用料規程第3条(1)(2)の無効確認を求めた。 【争点】 主な争点は,(1)放送法上の再放送同意及び総務大臣の同意裁定が著作隣接権等の使用許諾を含むか否か,(2)本件使用料規程が憲法14条の平等原則・公序良俗・独占禁止法等に反して無効か,(3)損害額算定において年間包括契約による区分と非包括契約による区分のいずれを用いるべきか,(4)反訴における確認の利益の有無である。 【判旨】 裁判所は,本訴請求について次のとおり判断した。放送法11条の再放送同意制度は放送事業者の番組編集意図を保護し放送秩序を維持する制度であるのに対し,著作権法上の有線放送権は放送事業者の財産的利益を保護するものであり,両者は制度趣旨を異にする別個の制度である。立法担当者の国会答弁等からも,再放送同意や同意裁定が著作権法上の許諾の効果を当然に付与するものでないことは明らかであり,被告は原告から著作隣接権等の使用許諾を得ているとはいえない。 使用料規程の合理性については,放送法自体が基幹放送につき放送対象地域制度を前提とした制度設計をしており区域内と区域外の区別自体は法が予定していること,区域外再放送は視聴者に当然視聴できない番組を提供する強い顧客吸引力を有することなどを考慮すれば,区域内と区域外で5倍の格差を設けることは不合理とはいえず,本件基本合意も使用料規程第4条に基づく減額措置にすぎないから届出義務違反もない。独占禁止法違反・優越的地位の濫用・暴利行為の主張も,原告が他の事業者と同等の条件を提示していたこと等からいずれも排斥された。NHK受信料訴訟大法廷判決に依拠する承諾意思表示命令判決事前取得の要否の主張も,本件が不法行為に基づく損害賠償請求であることから否定された。 もっとも損害額の算定については,被告が全時間帯の全放送をそのまま再放送している実態,交渉経緯,他の有線事業者の契約実績等に照らし,年間包括契約によらない場合(月額単価)ではなく年間包括契約による場合(年額単価,区域内120円・区域外600円)を基準とするのが相当であるとし,使用料相当額1億6324万0920円と弁護士費用1632万4092円の合計1億7956万5012円の限度で本訴請求を認容した。 反訴については,使用料規程の有効性は原被告間の具体的権利義務関係そのものではなく,本訴で損害賠償義務の存否・額が確定される以上,別途確認を求める利益は認められないとして却下した。 本判決は,放送法上の再放送同意制度と著作権法上の有線放送権制度の峻別を改めて明確にするとともに,JASMAT設立後初の再放送使用料をめぐる本格的な判決として,有線テレビジョン放送事業における著作権使用料実務の基本的枠組みを示した意義ある事例である。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。