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下級裁

強盗致傷被告事件

判決データ

事件番号
平成30わ316
事件名
強盗致傷被告事件
裁判所
大阪地方裁判所
裁判年月日
2019年2月1日
裁判官
渡部市郎渡邉真実

AI概要

【事案の概要】 本件は、暴力団関係者である被告人が、共犯者7名と共謀のうえ、密輸入された金を換金して得られた現金約7000万円を強奪しようとしたが未遂に終わり、その際に被害者2名に傷害を負わせたとして、強盗致傷罪で起訴された事案である。 検察官が主張する事件の基本的構図は、密輸入された金の換金情報が仲介業者Aから順にB、C、被告人へと伝達され、被告人単独またはCと共同で実行犯グループの統括者Gに情報を提供して犯行を指示し、Gの指示を受けたDら3名が実行犯となったというものであった。検察官は、被告人が主導した「被告人1トップ的犯行」または被告人とCが共同主導した「2トップ的犯行」のいずれかに該当すると主張した。 これに対し、弁護人は、被告人はGに犯行を指示しておらず、共謀は存在しない、本件はCが単独で主導した「C1トップ的犯行」であると主張して、被告人の関与を全面的に否認した。 【争点】 本件の争点は、被告人と他の共犯者との間における共謀の成否、具体的には被告人がGに対して本件犯行を指示したといえるか否かである。検察官は共謀を推認させる間接事実として、(1)換金情報伝達の場に被告人がGを呼び寄せていたこと、(2)犯行に関わる要所で被告人と共犯者間の通話が連動していること、(3)GがCとは関係が希薄な一方、被告人の舎弟格で親密であったこと、(4)被告人が犯行に用いられた催涙スプレーをGに送ったこと、(5)犯行直前に被告人が大阪方面に移動していたこと、(6)犯行後に被告人が実行犯らを匿うなど支援したことの6点を挙げた。 【判旨(量刑)】 裁判所は、検察官が挙げる6点の間接事実について個別に詳細な検討を加えたうえで、いずれも共謀を推認する力がないか、あるとしても弱いものであると判断した。 通話の連動については、被告人とGは本件以前から極めて頻繁に電話連絡をし合う関係にあったため、たまたま前後して通話がされた可能性が十分あり、通話内容が本件に関するものであると推認する根拠は薄弱であるとした。催涙スプレーの送付については、配達伝票の筆跡が被告人のものと酷似するとの検察官の指摘は筆跡鑑定に基づかず主観的印象にとどまること、Cの供述はあやふやで責任転嫁の意図も否定できないことなどから、被告人が送ったと認定することはできないとした。犯行直前の大阪方面への移動についても、失敗の連絡を受けてもなお大阪に向かっていることなどから、強取金受取目的とするのは不合理であるとした。 裁判所は、これらを総合しても、Cが単独で主導した犯行である可能性は否定できず、被告人がGに犯行を指示したと認めるには合理的な疑いが残ると結論づけ、刑事訴訟法336条により無罪を言い渡した(求刑懲役15年)。間接事実の積み重ねによって共謀を立証しようとする検察官の主張に対し、各事実の推認力を個別かつ総合的に厳格に吟味した判断である。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。