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行政

過誤納金返還請求事件

判決データ

事件番号
平成29行ウ518
事件名
過誤納金返還請求事件
裁判所
東京地方裁判所
裁判年月日
2019年2月5日
裁判官
森英明網田圭亮鈴鹿祥吾

AI概要

【事案の概要】 本件は、農地等納税猶予制度に関する税務訴訟である。原告は、平成9年に死亡した被相続人Aの相続により札幌市内の農地等を取得し、平成10年に相続税の申告書を提出した際、租税特別措置法70条の6第1項に定める農地等納税猶予(農業を継続する農業相続人に対し、農業投資価格を超える部分の相続税の納税を猶予し、一定期間経過等により免除する制度)の適用を受け、約2億円の相続税が猶予されていた。 原告は、平成25年6月、自身を代表取締役として農産物の生産・加工・販売等を目的とする株式会社B(本件法人)を設立し、いわゆる法人成りを行った。原告は同法人との間で本件農地を含む土地について月額17万5000円の賃貸借契約を締結して地代を収受するとともに、ミニキャブ、トラクター、除雪機、農業用倉庫・農舎等の農業用資産を法人に譲渡した。また、本件法人は平成26年5月期以降、農業収入を法人税申告書に計上し、種苗や肥料・農薬を購入し、農作物の販売収入を自らの売上げとして計上していた。一方、原告は、平成26年分以降の所得税等の確定申告書において自身の職業を「不動産賃貸業」と記載し、農業収入を計上しなくなった。 札幌東税務署長は、遅くとも平成26年1月1日までに原告が本件特例農地等に係る農業経営を廃止したと認められるとして、措置法70条の6第1項2号所定の全部確定事由に該当するとし、平成28年12月付けで猶予期限確定の通知を行った。原告は約3億2591万円の相続税及び利子税を納付した上で、農業経営を廃止した事実はなく納付義務はないと主張し、国税通則法56条1項に基づく還付金及び同法58条1項に基づく還付加算金の支払を求めた。 【争点】 原告が本件特例農地等に係る農業経営を廃止し、農地等納税猶予の期限が確定したか否かが主要な争点となった。原告は、措置法通達に照らし耕作の反復・継続行為こそが判断基準であり、自ら農地を耕作している以上「農業経営を廃止」したとはいえないと主張したのに対し、被告は、農地の使用状況、耕作管理の態様、生産物の販売状況、売上げの帰属等を総合的に考慮すべきであり、農業経営の主体は原告から法人に完全に移転していると主張した。 【判旨】 東京地方裁判所は、原告の請求を棄却した。 裁判所は、農地等納税猶予制度が永続的に農業を継続する農業者の負担軽減を図る趣旨であることに照らし、農業経営を廃止したか否かは、農地の使用状況、耕作作業の管理・態様、生産物の販売状況、生産物の売上げの帰属状況等を総合的に考慮し、農業相続人の事業としての農業経営を廃止したと評価できるかによって判断すべきであると判示した。耕作の反復・継続のみをもって足りるとする原告の主張は、法人の従業員として耕作を行う者まで「農業経営」に含まれることとなり、制度趣旨に沿わないとして排斥した。 その上で、本件では、原告が本件法人との間で本件農地を含む土地について賃貸借契約を締結して法人に貸し付け、地代を受領していたこと、農業用資産を法人に譲渡していたこと、本件法人が種苗・肥料を購入して農業収入を計上し、農作物を販売していたこと、原告自身も平成26年分以降の確定申告で職業を不動産賃貸業と記載し農業収入を計上していないこと等を指摘し、遅くとも平成26年1月1日時点で農業経営の主体は原告から本件法人に移転しており、原告は法人の農業に従事していたにすぎないと認定した。原告が主張した賃貸借契約の農地法3条違反による無効、農業用資産譲渡契約の錯誤無効、税理士の誤申告等の主張は、いずれも信用性を欠くとして採用されなかった。 結論として、原告は本件特例農地等に係る事業としての農業経営を廃止したものと評価でき、全部確定事由が生じていたから、納付された相続税及び利子税に法律上の原因があり、過誤納金は存在しないと判断された。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。