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知財

審決取消請求事件

判決データ

事件番号
平成30行ケ10031
事件名
審決取消請求事件
裁判所
知的財産高等裁判所
裁判年月日
2019年2月6日
裁判官
高部眞規子杉浦正樹片瀬亮

AI概要

【事案の概要】 本件は、携帯用グリップに関する特許出願をした原告(株式会社創考テクノ)が、拒絶査定不服審判において「本件審判の請求は成り立たない」との審決を受けたため、特許庁長官を被告として、審決の取消しを求めた事件である。 原告は、平成26年10月14日を優先日とする国際出願を経て、発明の名称を「携帯用グリップ」とする特許出願をした。本願発明は、表面に沿って手のひらと指が接触して握持できる外部表面を有し、その内側に対象グリップの把持部を嵌合するスペースを設けた携帯用グリップである。電車やバスのつり革など、不特定の対象の把持部に素手で触れずに握持できるようにすることを目的とする。 特許庁審査官は複数回の拒絶理由通知を経て拒絶査定をし、原告が審判を請求したところ、審判合議体は新たに拒絶理由通知を行った上で、本願発明は、つり革に取り付ける補助具に関する特開2006-232250号公報(引用発明)に、周知例1(実用新案登録第3137833号公報)及び周知例2(特開2014-227130号公報)から認定される周知技術を適用することにより当業者が容易に発明できたものとして、特許法29条2項に基づき拒絶の審決をした。 【争点】 主な争点は、(1)審判手続に違法があるか(取消事由1)、(2)進歩性判断に誤りがあるか(取消事由2)である。取消事由2は、一致点認定の誤りと相違点4の看過、周知技術1ないし3の認定の当否、引用発明に周知技術を適用する動機付け・阻害要因の有無に細分化される。 【判旨】 知的財産高等裁判所第1部は、原告の請求を棄却した。 手続面については、審判合議体が審査段階の判断に拘束されないこと、本件補正により追加された発明特定事項に基づき相違点3を認定したことは不意打ちに当たらないことなどを指摘し、原告の手続違背の主張を退けた。ただし、審決書に阻害要因の有無について具体的説示を欠いた点は特許法157条2項4号違反であるが、後述のとおり実体判断上阻害要因は認められないから、結論に影響しない違法にとどまるとした。 実体面については、まず本願発明の「着脱自在」との文言には具体的な着脱方法の限定はなく、原告主張の相違点4は認められないとした。次に、周知例1及び乙1公報(特開2011-1673号公報)から、物を把持する際の補助具の技術分野において、「指が曲がった状態で接触する屈曲面」「屈曲して対向する開放型嵌合スペース」「嵌合スペース内の間隙の距離が把持部の最大径と同程度で、その距離のまま外部に開放される構成」(周知技術1ないし3)が周知であったと認められると判断した。なお、周知例2は本願優先日後の公開であり周知技術認定の根拠とはし得ない違法があるが、結論に影響しないとした。 その上で、引用発明と周知技術1ないし3は、物を把持する補助具という同一の技術分野に属し、課題・作用機能も共通すること、引用例には装着の容易性の示唆があることから適用の動機付けが認められるとし、引用発明の技術的意義を補助具本体とつり革が一体化して機能するものと狭く解すべきではなく、周知技術適用により補助具本体とつり革が一体化する作用が仮に阻害されるとしても、引用発明のもう一つの課題解決機能は阻害されないとして、阻害要因も否定した。 以上により、本願発明は引用発明に周知技術1ないし3を適用することで当業者が容易に発明し得たものであるとして、審決の結論は維持された。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。