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知財

審決取消請求事件

判決データ

事件番号
平成30行ケ10124
事件名
審決取消請求事件
裁判所
知的財産高等裁判所
裁判年月日
2019年2月6日
裁判官
高部眞規子杉浦正樹片瀬亮

AI概要

【事案の概要】 本件は、カラーコンタクトレンズの販売等を手がける原告が保有する登録商標「envie CHAMPAGNE GRAY/アンヴィ シャンパングレイ」(第9類「眼鏡、電子出版物、アプリケーションソフトウェア」を指定商品とする登録第5942675号)について、フランス・シャンパーニュ地方のぶどう酒生産者の利益を代表するフランス法人「シャンパーニュ地方ぶどう酒生産同業委員会(CIVC)」である被告が、本件商標は商標法4条1項7号(公の秩序又は善良の風俗を害するおそれ)に該当するとして無効審判を請求し、特許庁がこれを認めて登録無効とする審決をしたことから、原告がその審決の取消しを求めた事件である。 原告は、本件商標は、自己のカラーコンタクトレンズブランド「envie(アンヴィ)」において「シャンパングレイ色」(グレーがかった淡い色調)のカラーコンタクトレンズを指すものとして使用しているものであり、「CHAMPAGNE GRAY(シャンパングレイ)」はあくまで色彩を表す部分にすぎず、発泡性ぶどう酒たる「シャンパン」を想起させるものではないから、国際信義に反することはないなどと主張した。 「シャンパン(CHAMPAGNE)」は、1935年の原産地統制名称法をはじめとするフランスの法令により、シャンパーニュ地方産で所定の生産条件を満たす発泡性ぶどう酒のみが名乗ることのできる原産地統制名称であり、日本においても第二次世界大戦後はこうしたフランス国内法が尊重されてきたという背景がある。 【争点】 著名な原産地統制名称「CHAMPAGNE(シャンパン)」を構成中に含む本件商標をコンタクトレンズ等の商品に使用することが、商標法4条1項7号にいう「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標」に当たるか否かが争点となった。とりわけ、本件商標における「CHAMPAGNE GRAY」が色彩を示す一体的表現として認識され、「シャンパン」本来の観念を生じないといえるかが問題とされた。 【判旨】 知的財産高等裁判所は、原告の請求を棄却した。 裁判所は、まず「CHAMPAGNE」「シャンパン」の表示が、フランスにおいて長年にわたり原産地統制名称として厳格に管理され、生産地、ぶどうの品種、醸造方法等の諸条件を満たすものに限って使用が許されてきたことを確認し、シャンパーニュ地方産スパークリング・ワインはフランス及びフランス国民の文化的所産として極めて重要性が高いものであると評価した。そのうえで、日本国内でも辞書・新聞・雑誌等の記載から、「シャンパン」は発泡性ぶどう酒の代名詞ともいうべき極めて著名な表示として取引者・消費者に広く認識され、多大な顧客吸引力を有していると認定した。 本件商標の構成については、「envie/アンヴィ」は日本の取引者・需要者にはなじみが薄く、「GRAY/グレイ」は一般的な色名にとどまる一方、「CHAMPAGNE/シャンパン」の部分は強い印象を与えるものであり、「CHAMPAGNE GRAY/シャンパングレイ」全体が色彩表示として広く一般に定着しているとは認められないと判断した。したがって本件商標からは「シャンパン」の称呼及び「シャンパーニュ地方で作られる発泡性ぶどう酒」の観念も生じるとした。 これらを総合すると、本件商標をその指定商品に使用することは、原産地名称を保護してきた被告やフランス国民の感情を害し、日仏両国の友好関係にも好ましくない影響を及ぼしかねず、国際信義に反して両国の公益を損なうおそれが高いとして、商標法4条1項7号に該当するとの審決の判断に誤りはないと結論付けた。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。