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下級裁

不正競争防止法違反

判決データ

事件番号
平成30ろ836
事件名
不正競争防止法違反
裁判所
東京簡易裁判所
裁判年月日
2019年2月6日
裁判官
小林裕行

AI概要

【事案の概要】 本件は、アルミニウム等の非鉄金属及びその合金を加工した製品の製造・販売を行う被告会社(大手非鉄金属メーカーの子会社)が、顧客との取引に用いる検査成績書に、販売する商品の品質について誤認させるような虚偽の表示をしたとして、不正競争防止法違反に問われた事案である。 被告会社では、受注獲得を優先するあまり、自社の工程能力を顧みることなく顧客の求める仕様で受注した結果、量産段階で顧客仕様を満たさない不適合品が多数発生する事態を招いていた。正規の手続で不適合品を処理すれば時間や費用を要し、収益に悪影響を及ぼしかねず、顧客から取引を打ち切られるおそれもあったことから、遅くとも昭和50年前後から、顧客の承認を得ることなく適合品として出荷する「社内特採」が横行していた。平成14年には、不適合品の出荷に一定の歯止めをかける方策として、対象製品や検査数値の範囲をリスト化した非公式の内規「特採処置実施規定」が制定されたが、実際には対象製品が追加掲載されていくなど、社内特採にお墨付きを与える結果となっていた。 具体的な犯行として、品質保証部長らは、ある取引先との間で合意したアルミニウム合金条の伸びに関する仕様を満たしていないにもかかわらず、仕様を満たした旨の内容虚偽の検査成績書20通を作成して交付し(第1事実、合計約9万5396キログラム、出荷額約3700万円)、また別の取引先との間で合意したクロム付着量に関する仕様を満たしていない製品について、虚偽の検査成績書42通を作成して交付した(第2事実、合計約12万9954キログラム、出荷額約4400万円)。 【判旨(量刑)】 東京簡易裁判所は、被告会社を罰金3000万円に処した(求刑どおり)。 量刑において不利な事情としては、検査数値の改ざんが40年以上の長期にわたって継続的・常習的に行われ、代々の代表取締役社長をはじめとする役員にも報告されながら是正されなかったことから、本件犯行は個々の行為者に留まらない「会社ぐるみの組織的な犯行」であり、企業の社会的責任・企業倫理に関わるものであることが指摘された。また、製品の伸びやクロム付着量は顧客製品の性能に関わる重要項目であり、目視では判断できず検査成績書の数値に依拠するほかないため、数値を改ざんして仕様適合を偽装する行為は、顧客の信頼を裏切り、公正な競争を害し、業界全体の社会的信用を失墜させるなど社会的影響が大きいとされた。さらに、発覚後、納入先2社が製品の安全性検証や顧客対応を強いられるなど、負担や損害も無視できないとして責任が重いと評価された。 他方で有利な事情としては、本件不適合品の出荷が経営陣の主導によるものではなかったこと、被告会社が特採規定の対象製品を段階的に削減してきたこと、平成28年11月に親会社に報告して強力な指導を受け、平成29年1月から不適合品の出荷を完全に停止したこと、過去の不適合品も最終製品には影響しないことが確認されていること、代表取締役らの辞任・報酬自主返納、11項目の再発防止策の策定と品質保証体制強化会議の新設など実効性ある再発防止策の推進、親会社の積極関与、ISO一時停止・JIS取消措置や報道による社会的制裁を既に受けていることなどが考慮された。 本件は、いわゆる検査データ改ざん事件として大手素材メーカーの品質管理体制に衝撃を与えた事案であり、組織的・構造的な不正に対する不正競争防止法による法人処罰の一例として、企業コンプライアンスの観点からも重要な意義を有する。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。