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下級裁

不正競争防止法違反

判決データ

事件番号
平成30ろ838
事件名
不正競争防止法違反
裁判所
東京簡易裁判所
裁判年月日
2019年2月8日
裁判官
山中喜代志

AI概要

【事案の概要】 本件は、ゴム製品・合成樹脂製品等の製造販売を業とする被告会社と、その代表取締役社長であった被告人Bが、同社従業員らと共謀の上、顧客から受注して製造したシリコンゴム製の半導体製造装置部品(ウエハ研磨装置用の吸着用パッドG)について、品質検査の数値を改ざんし、内容虚偽のデータを顧客Fが使用する統計的工程管理システムにアップロードした不正競争防止法違反の事案である。 被告会社C製作所では、受注獲得と納期厳守を優先する余り、工程能力を超える受注により不適合品が多発していた。そこで、20年以上前から、現場の検査グループでは、過去に機能上問題がないとして出荷を認められた前例をまとめた「シルバーリスト」と称するリストに基づき、検査結果が不適合であっても顧客仕様値に書き換えた虚偽の検査成績書を作成し、顧客の承認を得ずに出荷する運用が常態化していた。顧客Fに対する硬さの仕様値は45±5であったにもかかわらず、数値が37以上であれば仕様範囲内の40に書き換える処理が行われていた。 平成29年2月上旬、被告人Bは部下からシルバーリストに基づく不適合品出荷の実態について報告を受けたが、先行する別問題の対応に追われていたことを理由に、当面の間シルバーリストによる運用を継続することを包括的に承認した。その結果、同年6月から10月までの間に20回にわたり合計4110枚のGについて虚偽データがアップロードされ、売上額は少なくとも約6165万円に上った。 不正競争防止法22条1項3号、21条2項5号は、取引に用いる通信に商品の品質について誤認させる虚偽表示をすることを処罰対象としており、B to B取引におけるデータ改ざん事案として適用された点に特徴がある。 【判旨(量刑)】 裁判所は、被告会社を罰金3000万円、被告人Bを罰金200万円に処した(求刑と同額)。 悪情状として、本件は組織的かつ継続的な犯行であり常習性が認められること、長年の重要顧客Fの信頼を裏切り、Fに追加検査や納期調整等の実害を生じさせたこと、業界全体の社会的信用を失墜させ公正な競争を害する行為で社会的影響が大きいこと、被告人Bは経営トップとして直ちに出荷停止を指示し親会社や顧客に告知すべき権限と義務があったにもかかわらずこれを怠った点で他の共犯者より責任が重いこと等を指摘した。弁護人の「先行問題対応中の苦渋の決断」との主張に対しては、シルバーリスト対象製品・顧客は数十社に及び被告会社単独での対応は不可能であったから、直ちに出荷停止と親会社Iへの応援要請を選択するほかなく、言い訳にはならないと退けた。 他方で酌むべき事情として、被告会社が全218社の顧客に告知説明を完了し、安全性検証を実施して問題がない旨の確認を得たこと、顧客への賠償として既に約1億1780万円を支払い、引当て計上済支払予定額は4億3700万円に上ること、社外弁護士等による調査委員会を設置し9項目の再発防止策を約7割強の進捗で推進中であること、マスコミ報道や公的認証取消等の社会的制裁を受けていること、被告人Bは代表取締役社長を辞任の上退社し真摯に反省謝罪していること、両名とも前科前歴がないこと等を考慮した。 これら諸事情を総合考慮し、主文の刑を科するのはやむを得ないと判断した。本判決は、製造業における検査データ改ざんが不正競争防止法の虚偽表示罪として処罰された事例として、品質コンプライアンスとガバナンスのあり方に警鐘を鳴らす意義を有する。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。