都道府県を選択して、裁判官を探すことができます

全国 2522 人の裁判官3122 件の口コミ
知財

パブリシティ権侵害等差止等請求事件,著作権侵害差止等請求事件

判決データ

事件番号
平成28ワ26612
事件名
パブリシティ権侵害等差止等請求事件,著作権侵害差止等請求事件
裁判所
東京地方裁判所
裁判年月日
2019年2月8日

AI概要

【事案の概要】 米国人ファッションデザイナーである原告ジル・スチュアート及びそのマネジメント会社(原告会社)が、日本において「ジル・スチュアート」ブランドの商品を企画・販売していた被告(株式会社サンエー・インターナショナル)に対し、パブリシティ権侵害、不正競争防止法違反及び著作権侵害を理由に、差止め及び損害賠償等を求めた事案である。 被告は平成9年頃から原告側との提携の下で本件ブランドの日本事業を展開し、平成19年には韓国等を除くアジア地域における商標権を4500万米ドルで譲り受けるとともに、原告会社に広告用材料の提供等を委託する修正サービス契約(契約期間10年)を締結していた。ところが被告は、原告会社がデザインサンプルの提供義務を履行しないなどと主張して、平成25年2月に本件修正サービス契約を解除した。その後も被告は、自社ウェブサイトのCONCEPTページに原告ジルの氏名・肖像写真・経歴・コメント等を掲載し、商品タグに「米国ジル・スチュアート社との提携により被告が企画・製造した」旨の表示を付し続けたため、原告らは、これらの行為がパブリシティ権を侵害し、品質等誤認惹起行為(不競法2条1項14号)に当たるなどと主張し、さらに原告会社は、被告がウェブサイトに掲載していたファッションイメージ写真126点の複製・公衆送信が著作権侵害に当たるとして、合計25億円を超える損害賠償等を求めた。 【争点】 主な争点は、原告ジルの肖像等の顧客吸引力の有無とパブリシティ権侵害の成否、原告らによる使用許諾の有無及びその範囲・期間、被告各表示が商品の品質・内容を誤認させるものに当たるか、原告会社の著作権の帰属及び利用許諾の期間、差止めの必要性、並びに損害額である。特に、被告は、本件ブランドの日本での成功は自社の努力によるものであり原告ジルの肖像等に独自の顧客吸引力はないと主張するとともに、原告側から経歴・写真・コメント等の提供を受け、長年異議を唱えられなかったことから使用許諾があったなどと争った。 【判旨】 東京地方裁判所は、まず、原告ジルが世界的に著名なファッションデザイナーとして我が国でも多数回にわたり新聞・雑誌等で取り上げられ、本件ブランドの認知度も高いことから、その肖像等は顧客吸引力を有し、パブリシティ権の対象となると認定した。その上で、被告ウェブサイトは全体として被告商品の宣伝広告・販売促進を企図するものであり、CONCEPTページにおける被告表示1(原告ジルの氏名)及び2(肖像写真)の使用は、専ら顧客吸引力の利用を目的とするものに当たると判断した。 使用許諾については、原告側が被告に積極的に写真・経歴等の使用を慫慂していた経緯を踏まえ、本件解除までの使用には黙示の許諾があったが、当該許諾は原告らと被告との協力関係・取引関係の存続を前提とするもので、修正サービス契約の終了により当然に消滅するとの合理的意思解釈を示し、本件解除後の使用はパブリシティ権侵害に当たるとした。 不正競争防止法についても、被告各表示はブランド商品の重要要素であるデザイン関与者・推奨関係について事実に反する認識を生じさせるもので、品質等誤認惹起行為に該当すると認めた。著作権については、原告会社のファッションイメージ写真(被告写真126点)は原告会社に著作権が帰属し、修正サービス契約終了後の被告ウェブサイトへの掲載は許諾範囲を逸脱する公衆送信権侵害に当たるとした。 もっとも、差止めについては、被告が訴訟係属前にCONCEPTページ及びGALLERYページを削除し、英語版サイトも閲覧不能としていることや、被告が商標権を正当に譲り受けていることを考慮し、再度同様の使用をするおそれは乏しいとして大部分を棄却した。損害額についても、原告らが主張した使用料相当額の算定方法(年間9億6000万円、21億円余等)は、本件ブランド事業の実態や写真の用途・性質に照らして過大であるとして採用せず、パブリシティ権侵害分として合計100万円、著作権侵害分として写真1枚当たり年額1万円を基準に計算した378万円を認めるにとどめ、弁護士費用及び積極損害を含めて、原告ら各自に111万3230円、原告会社に415万円の限度で支払を命じた。本判決は、人格権に由来するパブリシティ権の許諾が契約関係の存続を前提とする黙示の合意により限界づけられる場合があることや、広告用材料の使用料相当損害額の算定に当たり広告制作業務対価の性質を精査すべきことを示した事例として実務的意義を有する。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。