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下級裁

地位確認等請求事件

判決データ

事件番号
平成27行ウ240
事件名
地位確認等請求事件
裁判所
大阪地方裁判所
裁判年月日
2019年2月13日
裁判官
内藤裕之大和之池上裕康

AI概要

【事案の概要】 原告は先天性の知的障害及び自閉症を有する男性であり、被告(大阪府下の普通地方公共団体)において、平成18年6月1日以降、地方公務員法22条5項に基づく臨時雇用員として、3か月ないし6か月の任用期間で繰り返し任用されてきた。原告は市役所の担当部署に配属され、書類への押印、スタンプ作業、データ入力等の一般事務に従事した。被告は、今後の知的障害者採用に向けた適職の見極めや受入れ体制の確立を目的として原告を任用し、約4年6か月の間、計14回にわたり任用を更新した。 平成23年4月19日、原告は家庭裁判所から保佐開始の審判を受けた。これにより原告は地方公務員法16条1号の欠格条項(成年被後見人又は被保佐人は職員になれない旨の規定)に該当することとなり、被告は同年5月31日の任用期間満了をもって原告を再任用しなかった(第一次不再任用)。その後、支援者らの働きかけにより、同年10月6日に保佐開始の審判が取り消され、より軽度の補助開始の審判がなされたことから、被告は同年12月1日から翌年5月31日までの6か月間に限って原告を再度任用した(平成23年任用)。ただし、その際の臨時雇用員誓約書には「以後更新しない」との不更新文言が明記され、原告にも説明の上で署名を得ていた。被告は同期間の満了をもって再び原告を任用せず(第二次不再任用)、本件訴訟が提起された。 原告は、主位的に職員としての地位確認及び賃金の支払を、予備的に国家賠償法1条1項に基づく慰謝料300万円及び弁護士費用50万円の支払を求めた。 【争点】 中心的争点は、(1)本件任用の法的性質として、障害者雇用促進法又は地方公務員法17条1項に基づく期間の定めのない任用といえるか、(2)地方公務員の再任用拒否に解雇権濫用法理ないし雇止め制限の法理が適用又は類推適用されるか、(3)欠格条項(地公法16条1号)を前提とした第一次不再任用について、合理的配慮義務違反、失職回避のための条例制定義務違反、成年後見制度利用に関する情報提供義務違反があり違法といえるか、(4)第二次不再任用につき、再任用継続に対する合理的期待を生じさせる特別の事情があり国賠法上違法といえるか、という4点である。 【判旨】 大阪地裁は原告の請求をいずれも棄却した。まず、障害者雇用促進法は障害者の雇用促進のための政策的規定であり、地方公務員個々の任用根拠や勤務条件を規律する法律ではないとして、主位的主張を斥けた。同法38条1項も、雇用率算定と採用計画作成を義務付けるにとどまり、任用の根拠にはならないとした。地公法17条1項に基づく期間の定めのない任用との主張についても、被告は任用の都度、臨時雇用員誓約書を徴し、任用と任用の間に1か月の中断期間を設け、社会保険資格も喪失させるなど、個別の臨時的任用としての実質を備えていたと認定し、通算4年6か月・14回の反復更新という事情があっても、個別任用の性格を失わせるものではないと判示した。 次に、地方公務員の任用は行政処分としての性質を有し、労働契約法22条1項も地方公務員への同法適用を明文で排除していることから、再任用拒否に解雇権濫用法理を適用又は類推適用する余地はないとした。もっとも、最高裁平成6年7月14日判決を引用し、任命権者が任期満了後の任用継続を確約するなど、継続を期待することが無理からぬ特別の事情があれば国賠法上の責任が生じ得る余地は認めた。しかし、本件では、平成23年任用は第一次不再任用後の原告支援者からの強い要望を受けて6か月限りとして行われたものであり、被告は誓約書に不更新文言を明記し、原告に説明して署名を得ていたのであるから、再任用への合理的期待を抱かせる特別の事情はなかったと結論付けた。 第一次不再任用の違法性についても、同処分は欠格条項の適用によるものではなく、任用期間満了を理由とするものであって、地公法16条1号の合憲性の判断は本件の帰趨を左右しないとし、また、地公法16条・28条4項の除外条例制定や成年後見制度利用時の情報提供について、被告にそのような具体的な法的義務があるとは認められないとした。以上により、原告の地位確認請求、賃金請求及び国家賠償請求はいずれも理由がないとして棄却された。本判決は、地方公務員の臨時的任用制度の運用と障害のある公務員の雇用継続保護の間の緊張関係を示す事例であり、現行法の下での司法救済の限界を浮き彫りにした。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。