都道府県を選択して、裁判官を探すことができます

全国 2522 人の裁判官3132 件の口コミ
下級裁

地位確認等請求控訴事件

判決データ

事件番号
平成30ネ406
事件名
地位確認等請求控訴事件
裁判所
大阪高等裁判所
裁判年月日
2019年2月15日
裁判官
江口とし子大藪和男森鍵一
原審裁判所
大阪地方裁判所

AI概要

【事案の概要】 本件は、被控訴人(学校法人)において有期労働契約(アルバイト職員)として教室事務員の業務に従事していた控訴人が、同一法人の無期労働契約労働者(正職員)との間に、基本給、賞与、年末年始・創立記念日の休日賃金、年次有給休暇の日数、夏期特別有給休暇、私傷病による欠勤中の賃金・休職給、附属病院の医療費補助措置に関する労働条件の相違があり、これが労働契約法20条(当時)に違反する不合理な相違であると主張して、不法行為に基づき差額相当額等合計約1272万円の損害賠償を求めた事案である。 労契法20条は、有期契約労働者について、無期契約労働者と比較して合理的な労働条件決定が行われにくく両者の格差が問題となっていたことを踏まえ、有期契約労働者の公正な処遇を図るため、その労働条件につき期間の定めがあることにより不合理なものとすることを禁止した規定であり、本件当時はいわゆる「同一労働同一賃金」法制の先駆けとなる重要規定であった。原審は控訴人の請求をいずれも棄却したため、控訴人が控訴した。 【争点】 (1)労働条件の相違の不合理性を判断するに当たっての比較対象となる無期契約労働者の範囲、(2)個別の労働条件(基本給、賞与、各種休暇、私傷病欠勤中の賃金・休職給、医療費補助措置)につき、相違が労契法20条の「不合理と認められるもの」に該当するか、(3)被控訴人に不法行為法上の故意・過失があるか、(4)損害額、が主たる争点となった。 【判旨】 大阪高裁は、比較対象者について、労契法20条の文言上、有期契約労働者の比較対象は同一使用者と期間の定めのない労働契約を締結している労働者全体と解すべきであるとし、控訴人が主張する「基礎系教室の教室事務員」に限定すべきとの主張を退けた。 もっとも個別の労働条件について検討を進め、(1)基本給については、正職員とアルバイト職員とで職務内容・配転可能性・求められる能力に相当の相違があり、賃金格差も約2割にとどまることから不合理とはいえないとした。(2)賞与については、被控訴人における賞与が正職員の年齢や成績・業績に連動せず、賞与算定期間に在籍・就労したこと自体に対する対価としての性質を有すること、同じ有期契約労働者である契約職員には正職員の約80%の賞与が支給されていることに照らし、フルタイムのアルバイト職員に全く支給しないことは不合理であるとし、新規採用正職員の支給基準の60%を下回る限度で不合理と判断した。(3)夏期特別有給休暇については、正職員に付与してフルタイム勤務のアルバイト職員に付与しないことは不合理とし、(4)私傷病による欠勤中の賃金・休職給についても、フルタイム勤務で契約更新しているアルバイト職員に一切支給しないことは不合理であり、賃金1か月分・休職給2か月分を下回る限度で不合理と判断した。(5)年末年始・創立記念日の賃金、年休日数、附属病院医療費補助措置の各相違については不合理とは認められないとした。 以上に基づき、賞与相当額70万3750円、夏期特別有給休暇相当額5万0110円、私傷病欠勤中の賃金・休職給及び私学共済資格喪失に伴う損害24万0877円、弁護士費用10万円の合計109万4737円の損害賠償請求を認容し、原判決を変更した。慰謝料請求は上記賠償金により相当程度慰謝されるとして斥けた。 本判決は、同一使用者内の有期・無期労働者間の労働条件格差について、労働条件ごとにその趣旨・性質に立ち返って不合理性を判断する手法を示したものとして、労契法20条(現在はパートタイム・有期雇用労働法8条に引き継がれている)の実務運用に大きな影響を与えた判決である。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。