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知財

審決取消請求事件

判決データ

事件番号
平成30行ケ10129
事件名
審決取消請求事件
裁判所
知的財産高等裁判所
裁判年月日
2019年2月19日
裁判官
大鷹一郎古河謙一山門優

AI概要

【事案の概要】 本件は、フランスの香水・化粧品ブランドを展開する原告(ディプティック エス.アー.エス.)が、日本の化粧品会社である被告(株式会社コンフィアンス)の登録商標(登録第5498434号、指定商品は第3類「化粧品、せっけん類」)について商標登録無効審判を請求したところ、特許庁が請求不成立の審決をしたため、原告が審決の取消しを求めた審決取消訴訟である。被告の本件商標は、二重線で描いた縦長の大きな楕円の内側に同心の楕円を配した「楕円状リング」の図形部分と、中央部に大きく表示された「Dr.Linn」「Sakurai」の二段書き文字、及び「YOUR SKIN CAN BE YOUR FORTUNE・1970」の文字等から構成される結合商標である。他方、原告は、細線と太線からなる二重楕円の内側に「diptyque」「paris5e」「34 boulevard saint germain」の文字を配した楕円状リングの商標(引用商標1)及びその内側に商品ごとに異なる図形等を配した登録商標5件(引用商標2ないし6)を保有しており、これらは1963年以降フランス本国をはじめ日本を含む諸外国で香水、アロマキャンドル、化粧品等に長年使用されてきた。原告は、本件商標が商標法4条1項10号(周知商標と類似)、11号(先願登録商標と類似)、15号(出所混同のおそれ)のいずれにも該当するとして、無効事由を主張した。 【争点】 最大の争点は、引用商標1の構成中の「楕円状リングの図形部分」のみが、原告商品を表示するものとして需要者間に広く認識され、独立した自他商品識別標識として識別力を獲得していたか否かである。原告は、楕円状リングの図形が原告の店舗やウェブサイト等で長年大量に使用された結果、「diptyque」の文字を見なくとも楕円状リングの一瞥によって原告商品と認識されるに至った旨主張し、本件商標及び引用商標の要部は共に楕円状リングの図形部分であって両者は類似すると論じた。これに対し被告は、楕円状リングはラベルの形状としてありふれた図形であり、化粧品・香水分野でも多数使用されていて識別力は微弱であると反論した。併せて、両商標の要部の特定及び外観・称呼・観念の類否、商品出所の混同のおそれの有無も争点となった。 【判旨】 知財高裁第4部は、原告の請求を棄却した。まず、楕円状リングの図形は容器のラベル形状として古くから用いられてきたありふれた形状であり、引用商標1においても特に強調された体裁で表されていないから、その識別力は微弱であると認定した。また、原告が商品に実際に使用してきたのは引用商標1そのものではなく、楕円の内側に商品ごとに異なる文字や図形を配した引用商標3ないし6等の結合商標であって、需要者はこれらを一まとまりの結合商標として看取するから、楕円状リング部分のみが独立の商標として認識されるとはいえず、引用商標1や楕円状リング図形部分が使用により識別力を獲得し周知性を得たとは認められないとした。そのうえで、本件商標の要部は中央の「Dr.Linn」「Sakurai」の文字部分であり、「ドクターリンサクライ」の称呼及び医師の名前との観念を生じるのに対し、引用商標1ないし6の要部は「diptyque」の文字部分であり、「ディプティック」の称呼を生じるものであって、両者は外観・称呼・観念のいずれにおいても明らかに相違し、相紛れるおそれのない非類似の商標であると判断した。したがって本件商標は商標法4条1項10号、11号、15号のいずれにも該当せず、審決の結論に違法はないとして、請求を棄却した。本判決は、著名ブランドの商標のうち文字部分を除いた図形部分のみの独立した識別力・周知性の獲得について厳格に判断した事例として、実務上参考になる。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。