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下級裁

関税法違反,消費税法違反,地方税法違反

判決データ

事件番号
平成30う285
事件名
関税法違反,消費税法違反,地方税法違反
裁判所
福岡高等裁判所
裁判年月日
2019年2月20日
裁判種別・結果
破棄自判
裁判官
野島秀夫今泉裕登潮海二郎
原審裁判所
福岡地方裁判所

AI概要

【事案の概要】 本件は、香港から韓国を経由して日本に金地金を密輸入し、消費税等の支払いを免れる犯行を組織的に繰り返していた密輸グループの一員である被告人が、関税法違反、消費税法違反及び地方税法違反に問われた事案である。本件密輸組織は、ペーパーカンパニーであるA会社等の名義で香港において大量の金地金を購入し、運搬役が韓国を経由して福岡空港に持ち込み、回収役、入庫役、換金役といった多数の共犯者が役割分担して国内の貴金属買取業者に売却し、消費税等相当額を上乗せした代金を受け取り、その代金を再び金地金の買付資金に充てるという循環構造のもとで、継続的に犯行を敢行していた。密輸された金地金は合計約120キログラム、免れた税額は約4500万円に上る。被告人は平成29年8月頃から関与し、10月事件では回収役・入庫役を担当し、2月事件では実行役らの進捗報告を受けて指示を出し、人選や報酬額の決定等、実行役グループの実務全般を統括する立場にあった。原審(福岡地裁)は懲役刑の執行を猶予し、罰金刑の併科及び本件金地金36個の没収も認めなかったため、検察官が事実誤認及び量刑不当を理由に控訴した。 【争点】 最大の争点は、押収された本件金地金36個について、関税法違反の組成物件として没収する前提となる「犯人以外の者に属しない物」(刑法19条2項)と認定できるか否かである。原判決は、金地金の入手経緯や売却代金の帰属が具体的に立証されておらず、循環構造の存在は抽象的可能性にとどまるとして、これを否定していた。 【判旨(量刑)】 本判決は、A会社とB会社・D会社・C会社との間の売買基本契約書や販売代理店契約等の客観的証拠、売却代金の受渡しに関わった関係者の供述調書等から、本件密輸組織がペーパーカンパニーを用いて香港で金地金を調達し、日本で売却した代金を再び香港での調達資金として還流させる循環構造を有していたことを優に認定できると判断した。その上で、2月事件の犯行形態が他事件と基本的に同一であることから、本件金地金もこの循環構造に従って本件密輸組織の出捐により調達されたものであり、情を知らない第三者の所有権が及ぶものではないから、「犯人以外の者に属しない物」に当たると認定した。原判決の事実認定は論理則・経験則に反するとして破棄し、本件金地金36個を刑法19条1項1号、2項本文により没収した。量刑については、大量かつ組織的な密輸入を反復した犯情の悪質性は原判決の評価より一層強く、被告人は実行役グループを統括する相当上位の地位にあり、他の共犯者の約2倍の報酬を得ていたこと等に照らせば、執行猶予は相当でなく実刑はやむを得ないとした。もっとも、検察官主張のような首謀者と同等の最上位幹部とまでは認められないとして、原審求刑(懲役6年・罰金1000万円)は重きに過ぎるとし、懲役2年6月及び罰金200万円を言い渡した。経済犯罪に対する罰金刑併科の趣旨(犯罪が経済的に割に合わないことを感銘させること)にも言及し、併科の相当性を基礎づけた点に実務的意義がある。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。